[テニプリ] 氷帝にやって来たのは？ １５ 〜努力家少女〜

７０４．ドラマ撮影？ ページ36

柳生)……それが、動機ですか？

スッと突然柳生が一歩前へ出てくる。
チラリと隣で菊丸を揺さぶりながら叫んでる向日を見た。

大石)ああ。そうだ

鼻で笑うと大石は答えた。

柳生はそれを聞いて菊丸が落としてしまったコップを持ち上げる。
ちなみに持ち上げるとき、コップを素手で直接触らないようになのか、白いハンカチを取り出してその上から掴んでいた。

緊迫した空気が大石と柳生、倒れた菊丸、それに寄り添う向日に流れる。

千歳)ミ、ミステリードラマの撮影みたいと

美姫)不二！！

不二)もう撮ってるよ！

それに便乗して不二は何処にあったかは分からないが、ビデオを取り出してその光景を収めていた。
美姫は監督気分だろう。

向日)だからって！！こんなのっ……

「くそっ」と吐き捨てる向日の目には若干だが涙が溜まっている。

柳生)しかし、私には疑問があります

コップを観察していた柳生が射抜くような視線で大石を見た。

大石)疑問……？

片方だけ眉を動かす。
まるで言ってみろと言っているようだ。

柳生)はい。それは誰もが思うことです。確か貴方は菊丸君が飲み物を飲む前に全く同じものを飲んでいましたよね？なのに、貴方は倒れず、その後に飲んだ菊丸君は倒れた……

大石)ああ。それか……

自嘲気味に笑うと、その理由を大石は話し出した。

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