[テニプリ] 氷帝にやって来たのは？ １５ 〜努力家少女〜

６９６．山の頂 ページ28

ロビーに戻ってくれば、あの強烈な異臭は全くなくなっていた。
むしろ、何かとてもスッキリするいい匂いがする。

丸井)さ、さっきとは……お、大違いだ、な……

美姫)ボロボロだね

丸井)そりゃな……遠山なんてもうショックで黙り込んで

可哀想な目で跡部の手を握る遠山を見る。
どうやら白石を避けてるようだが、それで何故、跡部なのか。
とても珍しい組み合わせだ。

跡部)おい遠山。そろそろ手を放せ

遠山)いやや！跡部はキングのくせにワイの事、見捨てるん？

跡部)くっ……

遠山のウルウルおめめ攻撃に跡部は顔を歪ませる。

美姫)え？なんかあの二人のツーショット面白い。遠山可愛すぎでしょ

幸村)跡部は意外と可愛いものに弱いのかもね。氷帝では芥川と鳳に弱いみたいだし

確かにあの二人は可愛いだろう。
”普段は”。
だが、美姫の事になると豹変をする。

恐らく跡部は可愛いのに弱いのもあるが、その豹変が恐ろしいのが彼等二人に甘い一番の理由だと考えられる。
そんな事言えば、向日だって十分可愛いのだから。

手塚)う゛……俺は、何を

すると、ロビーに積まれていた人の山の頂で一人立ち上がった人物がいた。
手塚だ。
頭を押さえてよろよろと立ち上がる。
地味にそんな手塚に踏んづけられている人物が呻いているが、まだ状況を理解できない彼はそれに気が付かない。

桑原)ぐえっ……

小春)ぐふふふ……

白石)小春の奴……目ぇ覚めてんとちゃうか。鼻の下伸びてるで？手塚君に踏まれとんのに

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