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第2話 ページ9






「……謙也さん、それ俺もやるんすか」




財前が呆れ混じりにため息を零す。

俺は「おうっ!」と溢れる気合いと一緒に拳を握りしめた。




「俺らでいっちょブチかましたろうやないか!」

「はあ……。まあ俺は知りませんよ、どうなっても」

「銀は準備満タンか?」

「ん、ワシは大丈夫や。ユウジはどないや?」

「俺も小春も完璧やで」

「ほなら自分ら準備ええか?いっちょやったるで」

「おー!!」




一同、握りしめた拳を高々に掲げた。



俺は思わず笑みが零れる。



白石、待っとれよ。

枯れ果てたお前に、極上の癒しと至高の娯楽をお届けするで。






「はぁ……これ、ほんまにどうなるんやろ」











オサムちゃんに部活日誌を渡し、軽い打ち合わせを済ませると、白石はそそくさと職員室から退散した。




(あいつ、ほんまどないしてん)




腕を組み、やっぱり休暇を与えるべきなのかと少しばかり考え込む。

そうしている間にも眉間にできたシワは更に深くなる。




確かに謙也はいつも唐突なところがある。

けれど昨日からは明らかに様子がおかしい。


いや、謙也だけやない。

今日に限っては、小春も財前もユウジ、あまつさえ銀や千歳に至っても不可解な行動があった。




俺と金太郎が試合をしている間も、小春ユウジの漫才コンビはいつも以上に大ボケを繰り広げていたし、謙也はいつも以上に砂埃を上げてテニスコートの周りを走り回っていた。


小石川は何やら大事そうに風呂敷を部室に持ち込んでは閉じこもり、しばらく経って出てきたときには口角を上げてニヤついていた。


財前に至っては、ベンチでの待機中いつもの音楽雑誌ではなく、女性用ファッション雑誌を読んどった。
表紙にでかでかと"『カワイイ♡』はうちらのタメにある"と書いてあった。

(あれはボケなんか……?)





何やねん。みんなどないしたんや。

普段と違う仲間の姿に俺は珍しく動揺していた。






「しらいし〜!!」






そんな俺の元へ、金太郎の無邪気な声が廊下に響き渡った。





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かの(プロフ) - ぶどう大福さん» 健ちゃん無事自分の位置づけ見つけれたみたいでよかったです(笑)次の更新も頑張ってくださいね(^^) (2017年8月31日 22時) (レス) id: 31bd09a655 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう大福(プロフ) - かのさん» かのさん、ありがとうございます!第2話以降は違う人がメインになりますがよろしくお願いします。健ちゃんそこそこ男前なのに四天宝寺の小説にはほとんど出てこないんですよね笑。私もたまに忘れますし。だから今回は思いっきり主役になってもらいました! (2017年8月30日 20時) (レス) id: 8003f78c4a (このIDを非表示/違反報告)
かの - 面白かったです〜!健ちゃんメインのお話ってあまり見かけないので新鮮で思わず笑っちゃいました(笑)更新楽しみにしてますね |ω・) (2017年8月5日 17時) (レス) id: 31bd09a655 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう大福(プロフ) - 曉月海さん» まさかこんなに早くそのようなコメントを頂くとは思ってもいませんでした。本当に嬉しいです(;o;)ありがとうございます!!更新はゆっくりになると思いますがご期待を裏切らないように頑張りますね。 (2017年7月31日 0時) (レス) id: 5d84582f83 (このIDを非表示/違反報告)
曉月海(プロフ) - もうすでに面白いです!お気に入り登録も評価もさせていただきました。頑張ってください (2017年7月30日 18時) (レス) id: c539bfe6f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぶどう大福 | 作成日時:2017年7月30日 15時

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