第2話 忍足の疑問 ページ7
第2話 side.忍足謙也
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俺には長年疑問を抱いていることが一つある。
「白石よう」
「ん?なんやー?」
「俺は正直、お前が腹立たしくてしゃあない」
「は?」
と言いつつ、白石の目線はまだ部誌の方に向いたまま。
俺は白石の前に腰を下ろし、構わず続けた。
「白石お前何で彼女作らんねん?!どういう訳か俺よりモテんのに?」
イケメンがやっとこちらに顔を向けた。
俺から見ても整ってるなあと思うほど、白石はかっこいいと思う。
さりげない優しさと自然な人との距離感は、モテ男になってしまうのは納得できてまう。
せやから多くの女子が白石に告白する。
でもどうやら白石はそれを全部断っとるらしい。
「今月、何人や?!何で断んねん」
「いや何で、って言われてもやなあ」
「はっ、お前好きなヤツでもおんのか?その顔で、内に秘めてる想いがあんのか!」
「いや、そういうわけやなくて……」
「かーーっ、なんやねん!じゃあ何で彼女作らんのや!」
イケメンの癖にして、俺らとずっとおる白石。
俺はそんなコイツが不思議で不思議でしゃあないんや。
白石には誰かと付き合いたいとか、イチャイチャラブラブしたいっちゅう欲望はないんか?
ちなみに俺にはある!
「そりゃ俺にもそういうのはあるけどやなあ……」
「はっ、まさか、お前……そうかそうか、分かったわ」
「何や?」
「お前がそういう趣味なんは、さすがの俺でも気付かんかったわ。うんうん、それは納得やわ。
けどな、隠すことはないんや。俺らは四天宝寺、バラバラで個性ありまくりの四天宝寺や!
ユウジと小春みたいに堂々とせえっちゅー話や!」
納得して、うんうん頷く俺に白石は小さなため息を吐く。
「謙也はいつも早とちりやねん。男の趣味はないよ、別に」
「ちゃうんか?!女が好きなんか?!」
「せやから言うとるやん。女の子が好きやって」
「ほな何で誰とも付き合わんねん?」
「んー……俺も付き合いたいなあとは思うんやけどなぁ」
「選り好みしとるんちゃうます?」
白石の会話中に入ってきた財前が、イヤホンを外しながら悪態をつく。
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かの(プロフ) - ぶどう大福さん» 健ちゃん無事自分の位置づけ見つけれたみたいでよかったです(笑)次の更新も頑張ってくださいね(^^) (2017年8月31日 22時) (レス) id: 31bd09a655 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう大福(プロフ) - かのさん» かのさん、ありがとうございます!第2話以降は違う人がメインになりますがよろしくお願いします。健ちゃんそこそこ男前なのに四天宝寺の小説にはほとんど出てこないんですよね笑。私もたまに忘れますし。だから今回は思いっきり主役になってもらいました! (2017年8月30日 20時) (レス) id: 8003f78c4a (このIDを非表示/違反報告)
かの - 面白かったです〜!健ちゃんメインのお話ってあまり見かけないので新鮮で思わず笑っちゃいました(笑)更新楽しみにしてますね |ω・) (2017年8月5日 17時) (レス) id: 31bd09a655 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう大福(プロフ) - 曉月海さん» まさかこんなに早くそのようなコメントを頂くとは思ってもいませんでした。本当に嬉しいです(;o;)ありがとうございます!!更新はゆっくりになると思いますがご期待を裏切らないように頑張りますね。 (2017年7月31日 0時) (レス) id: 5d84582f83 (このIDを非表示/違反報告)
曉月海(プロフ) - もうすでに面白いです!お気に入り登録も評価もさせていただきました。頑張ってください (2017年7月30日 18時) (レス) id: c539bfe6f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぶどう大福 | 作成日時:2017年7月30日 15時