問九 ページ9
・
・
図書室の扉を開けると、
ほとんど人がいなくって、
中には本を読んでる先生と、
上履きの色が違うからあれは先輩かな？二人ぐらいの先輩がいた。
・
・
少しピリッとした空気に大袈裟に背筋を伸ばす田中くん。
圭「ね、ねっ、おれさ、放課後に図書室初めて来た。」
少しだけ屈んでわたしの耳元でそう言った。
少しだけ変な気分になっちゃったけど、
そんなのがんばって知らないふりをして、
そっかって、頷いた。
・
・
圭「これさ、おれらどこ座る？」
がらがらにあいた席。
うちの学校の図書館は結構大きいほうで、
たくさん机がある。
大きな机を向かい合わせに２組ずつ置かれてあって、
たまーに見る先輩のカップルなんかは、
向かい合って座るよりも、
となりに座って肩がいっつもくっついている。
(こんなイメージ↓)
│椅子│椅子│
・ 机
│椅子│椅子│
・
・
隣を見るとまだ悩んでいる田中くん。
『私、どこでもいいよ？』
圭「あー、それいちばん困るやつだ。」
口に手を当てて、目をちょっとだけ開いて楽しそうに笑う田中くん。
『あっ、ご、ごめん。』
・
ちょっとだけ悪いことをしちゃった気分だけどやっぱり私も笑っちゃって、もういっかい、ごめんねって謝る。
・
・
圭「……かわいいから許す。」
『……へ？』
顔はもう一気に熱くなって、何もしてないのに心臓がなる音がきこえる。
田中くんを見上げたら、
パッて別の方向に顔が向いてしまって、
どんな顔をしているかは分かんないけど
田中くんの耳は真っ赤だった。
・
ギュッ
『へっ？！』
圭「あっ、山下さん、しーっ！」
いきなり捕まえられて優しく引っ張られる右手。
後ろから見る田中くんはやっぱり楽しそうに笑ってる。
圭「こっち。」
『へ？な、なにが？』
圭「せーき！おれらの座る席！」
・
・
連れていかれたのはいちばん奥の、
しかも先生の死角みたいになってて、
カップルがイチャイチャしてるのをよくみる。
・
圭「ん。」
椅子を引いてくれた田中くん。
どうぞって紳士に手を引いて、座ってみる。
『えっと、どうも。ふふっ。』
座ってから、リュックを降ろして膝に抱える。
田中くんはどこに座るんだろう。
と、思ったら、後ろから回って、
なんというか、つまり、
私のとなりに座った。
・
更新遅くなってすみません！！
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りーり(プロフ) - 読ませていただきました！リアルに圭くんぽさがすごくて、告白シーンとかもう圭くんの声で完全に脳内再生されました！笑 最後は泣けましたし、なんとなく自分の中でいつかまたこの2人は幸せになれるんじゃないかなぁなんて期待しております。楽しませて頂きました！ (2020年7月3日 8時) (
レス) id: 3ec2734652 (このIDを非表示/違反報告)
mababe(プロフ) - なこさん» いえ私の更新が遅すぎたせいです！！！（涙）ハッピーエンドじゃない終わり方もありかなと思いまして！！（笑）楽しんでいただけたで本当に嬉しいです！！こちらこそコメントいただき本当に嬉しかったです！！ありがとうございました！！！ (2020年4月28日 1時) (レス) id: 2367676c4c (このIDを非表示/違反報告)
なこ - わざわざありがとうございます最後はかなりドロドロでしたね。。甘酸っぱい青春の話からここまでくるとは、、でもとても面白かったです！！書いていただき本当にありがとうございました｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ (2020年4月26日 23時) (レス) id: 1848847573 (このIDを非表示/違反報告)
mababe(プロフ) - なこさん» 更新遅くなってしまい本当にすみませんでした！(涙) 心肺停止は控えていただきたいですが（笑）そう言っていただけて本当に嬉しいです！！ありがとうございます！！！ (2020年4月20日 1時) (レス) id: 2367676c4c (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - ご都合やお忙しかったりするかもしれませんが、なるべく早く更新して頂きたいです！！この小説？をよんで大変心配停止状態になりそうになっております。凄くいい話なのでどんどん続きが読みたいです！ (2020年4月6日 0時) (レス) id: 1848847573 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mababe | 作成日時：2019年3月28日 21時
