Link〜ありたか〜4

157話 ページ9

「いやだ！」

「雄ちゃん。一瞬だから頑張って？」

「いやーだ！！！」

「どうした雄也」

ひかと食器洗ってくれてた薮ちゃんが
俺たちの騒ぎを聞きつけて寝室に来た。

慣れた手つきで布団に包まる雄也を抱き寄せて膝に乗せる。


「薮くん…ゆう、薬やだ…」

「薬か〜。それはやだなぁ」

赤ちゃん流れてから再開した薬。
泣きながら家の中を逃げ回る雄也。
毎日鬼ごっこしてる。

「雄也、飲んだら明日一緒に水族館行けるよ？」

「水族館……」

「そのあと、美味しいご飯食べに行こ？」

「ご飯……」

「だからお願い」

「大貴くんひどい。ゆう やだっていってるのに」

ひんひん泣く雄也が可哀想で仕方ない。
俺だって心鬼にするの嫌なんだけどな。

「もういいんじゃない？大ちゃん。
雄也が嫌っていってるんだもん」

まぁ、そうか。
無理強いすることも無い。

「分かった。今日はいいよ」

「ダメだよ大ちゃん」
頭をぽんぽんと撫でた時に後ろから声がした。
鬼のひかだった。

「雄也。ちゃんと飲んで？」

「ひかるくんひどい！きらい！」

「俺も薬飲まない雄也きらーい」

「…ふぇっ……ぎゃぁぁぁ」

大好きなひかにきらいと言われて堪える雄也。
可哀想だなぁ。
俺に抱きついて子どものように泣き叫ぶ。

「もういいじゃんひか」

「大ちゃん甘やかしちゃダメ。
雄也のためにならないでしょ？」

「だいきくん、ひかるくん怖い」

「飲んだら好きになってあげるから」

「光、鬼だなお前……」

薮ちゃんすらドン引き。

当の雄也は「飲んだらいいの？」と涙目で俺を見る。


「飲んだら好きになってくれるって」

「……飲む」

コップを渡して多い薬を2回に分けて飲ます。
可哀想だけど仕方ないか。

ごくん、と飲み干したらひかは雄也を抱きしめる。

「雄也偉いじゃん！すごーい！」

光くんから飴と鞭を学びました。

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