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151話 ページ3

雄也と離れて暮らすようなって
2ヶ月が経った。

これは仲が悪くなった訳じゃなくて
ただ距離を置いてるだけ。
お互いの心の治療ってとこ。

でも、ほぼ毎日仕事が終わってからだけど
顔を見に高木家に寄る。
夜になることが多いから、寝顔だけの日もあるけど。
「今日も顔色悪くないな」って確認して
頬に優しくキスをして
『おはよう。よく眠れた?』っていう
朝起きた時に見てもらうために置き手紙をする。

明日になれば、少しでも雄也の傷が癒えてますように。
少しでも外の空気吸って気分転換してたらいいな。
お義母さんの美味しいご飯食べて少しは体重増えてたらいいな。

そしてまた、2人で暮らせる日が来ることを願って
一人で家に帰る。





今日は、1人での仕事で
用意された楽屋も1人だった。
まさかの隣の楽屋が嵐さんですぐに挨拶しに行った。

「おー!有岡じゃーん!」

先輩みんな優しくて温かい。
部屋に入ると明るく受け入れてくれる。

「有岡、タカ元気か?」

「お陰様で元気です。ありがとうございます」

二宮くんが俺を見てふわりと笑った。
雄也が抜けてからもずっと心配してくれている。

嵐の先輩はみんな、俺と雄也が付き合っていることを知っている。
昔からずっと見守ってきてくれていた。

「この間、タカに会った時も元気そうで安心した!
赤ちゃんも出来たんだって喜んでて」

「あ、」

相葉くんと街でばったり会ったんだって言っていた。
そうだ。
あの時はまだ赤ちゃんは生きてたんだ___。

急に頭に酸素が回らなくなって
視界がぼんやりとしてきた。

「有岡?大丈夫か?」

「…すみません。大丈夫です」

「なんかあったら相談のるぞ?」

櫻井くんが俺の背中に手を置いてくれた。
そのまま促されてソファーに座らされた。

「赤ちゃん、流れちゃって」

「…そうだったのか。ごめんな」

隣に座った櫻井くんに肩を抱き寄せられて
また泣きそうになる。

「でも俺は、赤ちゃんに名前つけて、
ずっと一生忘れないでいたくて。
今でもそばに居る、って毎日頑張ってるんです」

「そっかぁ。偉いな」

「なんて名前なの?」

「天ちゃんです。
空から見ててほしいから」


ふんわりと優しい空気で包まれた。

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Maori - 初コメ失礼します。このお話の続きはありますか?どうしても続きが見たいんです。よろしくお願いします。 (6月18日 10時) (レス) id: 5d5d467a0f (このIDを非表示/違反報告)
らずり(プロフ) - 初めてコメントします。こちらの作品がここ数年内に出会った中で1番大好きなお話で、今まで何度も読み返しました。久しぶりに更新されてとても嬉しいです。続きも楽しみにしております。 (2020年5月19日 18時) (レス) id: fdb0262007 (このIDを非表示/違反報告)
えはと(プロフ) - つなぐ。さん» 思い出してまで読んでくださったんですか!ありがとうございます!幸せな雄也さん見れるまで少々お待ちくださいね (2019年7月28日 14時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
えはと(プロフ) - 玉響さん» ありがとうございます!まだまだ続くとは思いますがありたかを応援してあげてください (2019年7月28日 14時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
えはと(プロフ) - A-yuy-Aさん» なかなか幸せにしてあげれてないですが、いつか必ずにこにこの雄也さんが見れるはずなのでそれまでよろしくお願いします!私も弱ってる雄也さん好き… (2019年7月28日 14時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えはと | 作成日時:2019年6月16日 15時

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