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大きな大きな市立病院に連れてこられた。こんな場所、絵に書いたような健康優良児の俺は滅多に来たことがなかった。
さっき買ったショートケーキが3つ入った白い箱をもう一度持ち直す。
少し深呼吸した薮ちゃんが慣れた足取りで向かうのを、緊張しながらついて行く。
ある個室の病室の前で立ち止まる。
ノックした薮ちゃんはガラッと戸を開けた。
「あ、薮！来てくれたんだ！ありが…」
舌っ足らずで柔かい声で迎えられた。
途中で俺がいることに気づいて語尾は消えていったけど。
「光、お誕生日おめでとう。
今日一緒にお祝いしてくれる大ちゃん」
「初めまして、大貴です」
「光です。わざわざ来てくれてありがとう」
吸い込まれそうなくらい大きな目。
黒い宝石のようにキラキラとした目。
好きだ。
たった一瞬で思った。
……一目惚れだった。
一目惚れだなんて、漫画の世界だけのものだって思ってた。
でも今は確信に変わる。しかも、現実にあるもの、だって。
「よろしくね」
差し出された右手の甲には点滴の針が刺さっていて、目が貼り付けられたように視線が外せなくなった。
「…あ、あぁ、これね」
笑いながら左手を出される。
「痛くはないんだよ？」
白い手に浮き出た血管、骨がくっきりと出ていて見るだけで痛々しかった。
光くんが生きるために一生懸命な姿にぎょっとしてしまっている自分がいて、嫌いだ。
バレてないか不安になる。
「光、嬉しいからってはしゃぐなよ？
普段は人見知りなのこいつ」
「俺も人見知りだし、あがり症だし…。
一緒だね」
なんとか笑顔を作って笑いかけた。
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えはと(プロフ) - ひー。さん» いつもありがとうございます！どっちも進められるように頑張ります！ (2018年12月1日 17時) (
レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
ひー。(プロフ) - 新作待ってました!! これからの展開が楽しみです!! 同時進行頑張ってください!! (2018年12月1日 14時) (レス) id: 26f1b61412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えはと | 作成日時：2018年12月1日 12時
