不言色の僕たちに(arhk) ページ42
毎週月曜日は部活がお休みで、すぐ山田や薮ちゃんと隣町に遊びに行ったり、公園でバスケしたりするんだけど、今週は誰にも誘われなかった。
まあ、いいや。
家に帰ってドラマの録画溜まってたから見ようとか考えながら靴箱に向かうとなんだか浮かない顔の薮ちゃんがいた。
「やーぶちゃん」
「うわぁ！なんだ、大ちゃんか」
「高木じゃなくて悪かったね。
それより…何かあった？」
薮ちゃんは目を見開くと小さなため息をついた。
「やっぱり大ちゃんには敵わないわ…。
少しね、悩みごと。
今から行かなきゃ行けない場所があってさ」
さっきよりも大きなため息をつく薮ちゃん。ボジティブな薮ちゃんがこんなになるなんて相当なことがあったんだろう。
「俺で良かったら全然聞くよ？
いつものファミレスでも入ろっか」
少し考えてから笑って頷いてくれた。
ファミレスに入ってクリームソーダを頼む。
上に乗ってるさくらんぼを口に含んで転がしていると、スプーンを静かに置いた薮ちゃんの重い口が開いた。
「あのね、俺に同じ歳のいとこがいるんだけど今日が誕生日なの。…それでね、ずっとずっと心臓の病気で入院してて、ほとんど学校にも通えたことないし、高校も行けてなくて」
俯いて話す薮ちゃんはお兄ちゃんが弟を心配してるようだった。
「その子が誕生日プレゼントに“友だち”が欲しいって言っててね…。
涼介とか、雄也とか連れていこうと思ったんだよ？でも、友だちってなろうと思ってなれるものじゃないし…。
プレゼントは買ってきたけど、どえしてもそれだけは準備出来なかったから行きにくくて…」
優しいなぁ、薮ちゃんは。人のことを自分のことのように考えてくれる性格。
俺もなにかちからになれたら。
「薮ちゃん、俺プレゼントになるよ」
顔を上げる。
「…ほんと？」
「うん。病院まで連れてってよ」
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えはと(プロフ) - ひー。さん» いつもありがとうございます！どっちも進められるように頑張ります！ (2018年12月1日 17時) (
レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
ひー。(プロフ) - 新作待ってました!! これからの展開が楽しみです!! 同時進行頑張ってください!! (2018年12月1日 14時) (レス) id: 26f1b61412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えはと | 作成日時：2018年12月1日 12時
