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「お弁当のおかずなんだったの」
「ウインナーと卵焼きとおにぎり」
「なにおにぎり？」
「おかか」
おかか、って言ったら照れたようにはにかむから可愛くて。
知らない間に抱きしめてしまった。
「え…ちょっ…」
「ご、ごめん！」
さっき知らない男達に怖い思いさせられたところなのに。自分の浅はかなさにイラついた。
「ううん。大丈夫」
それでも不安げに笑ってくれる高木に申し訳なかった。
かける言葉すら出てこなくて。
そんな時、電話が鳴った。
『高木です、もうすぐ着きます。
ありがとうございました』
「いえいえ、では家の前出ておきますね」
高木の制服を紙袋に入れて、肩にエナメル下げた高木と一緒に家の外でお母さんを待つ。
5分くらい経つと白いセダンが目の前で止まった。
「すみません、お世話になって」
「いや。うちに連れてきたのは俺なんで」
「ママ、薮くん学ランと服貸してくれた」
「え！なんで！？」
待って、ママ呼びなの。可愛い。やばい。
「シャツのボタン全部飛ばされてて、だから」
紙袋をお母さんに手渡す。
「すみません、クリーニングに出してちゃんと返しますから」
「おかまいなく。兄ちゃんのお下がりだし、うちは洗濯機でいつも雑に扱ってるんで」
「本当にありがとうございました」
「いやほんと何もしてないです」
お母さんに深々と頭下げられる。
勝手に連れて帰っただけなのにこんな感謝されたら…さっきもいつもの癖で手出しかけたし。
車に乗り込んだ高木が窓から手を振ってくれた。
「またね」
「うん。また明日」
明日。来れたらいいんだけど。
そう願いながら車が角を曲がって見えなくなるまで手を振り続けた。
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えはと(プロフ) - ひー。さん» いつもありがとうございます！どっちも進められるように頑張ります！ (2018年12月1日 17時) (
レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
ひー。(プロフ) - 新作待ってました!! これからの展開が楽しみです!! 同時進行頑張ってください!! (2018年12月1日 14時) (レス) id: 26f1b61412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えはと | 作成日時：2018年12月1日 12時
