俺だけ見てて。R.N (ページ20)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:25,846 hit

貴方side ページ20

ずっとずっと涙が止まらなくて息が荒くなってきているのが自分でもわかる

思い返して見れば私の人生いいことなんてなかった。

だから私の心の中は驚くほどモノクロで。

唯一モノクロの世界を壊さないで居てくれたのはダンスとどこの誰かもわからない幼馴染みの彼。

そして愛季。

でもね

今はこのモノクロの世界でさえ守りきれる自信がないんだ。

いっそのことこの世界を捨てて楽になろうかな

気づいたらあと一歩踏み出せば落ちてしまうところまで来ていた

なぜだかあれだけ止まらなかった涙は止まっていて

逆に落ち着いていた

『どうしてこんなにも不公平なの』

『神様は不公平だ』

そういって身を投げようとしたその時

ﾊﾞﾝｯ

勢いよく屋上のドアが空いた

？「なにしてんねん！！！！」

『っ！駿…佑…？』

奥にも誰か居るけど太陽が眩しくて誰だかわからない

道枝「A…」

どこか寂しそうに私の腕をつかんだと思ったらいつの間にか駿佑の腕の中にいた

『ッ！？』

道枝「ほんまなにしとんねん…心配したやん…」

駿佑はとても暖かくてふわっと香る駿佑の匂いに安心したのかまた涙がこぼれてきた

駿佑は何も言わずにずっとそばに居てくれた