二人の関係

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「ごちそうさま。普通のラーメンもこんなとこで食べたら高級っぽいね(笑)」



きちんと両手を合わせて「ごちそうさま」をする姿を、可愛い…なんて見惚れてる僕は





ヤバい…

完全にデート気分。









目の前のテーブルに…

ワインに合うオードブルが並べられ




部屋が、

ワインバー本来の姿に変わった頃…。









「ね？…また時々、こんな風に付き合ってくれる？」






…この人も、分かってる。


それは、ラーメンを食べながら交わす会話でないことを…。




今、やっと核心に触れる時が来た。









「…今日、ヒョンは？」

…でも忘れるな、
この人は「ヒョンの彼女」だ。







「…じつは今日ね、私がドタキャンしたの」


「……。」







そ…れは、



「…どういう…？」








もうこの人は酔ってるんだ…。


大胆な発言をした前科もある人だから…



冷静にならなきゃ、って思うけど。



…大丈夫？

僕の声、震えてない？






「よくドタキャンされるから…


だから今日は、…仕返し？(笑)」








なんだ。

そういうこと…。








……。

この人にとって僕は…



ヒョンとのことで、何にでも使える便利な駒ってとこか…。



僕である必要はなかったんだ…。









電話をもらってからずっと。

浮かれる気持ちを抑えるのに必死だった自分が、




惨めで、


笑える…。





やっぱり

ヒョンがいなきゃ繋がらない、関係…。









「…ヒョンに、僕と会うって言ったの？」

「まさか(笑)そんな、二人の仲を乱しかねるようなことはしませーん」



…この人、気付いてるのかな？

「じゃあ、なんでわざわざ僕と会ってるの？ドタキャンの連絡だけして、家帰れば済む話でしょ？」



「…あー、そうだよね…(笑)」

ホント私ったらバカだなぁ…なんて、
ブツブツ独り言を言い出す様子に、







なぁーんにも分かってないんだって…

急に、僕の中のブラックな部分が目覚める。









「出ましょう」


「えぇ？…あ、うん」


急に立ち上がった僕に驚きながらも、
何も聞かずについて来てくれる。


ほんと、無警戒…(笑)


僕ばっかり焦ってドキドキして。

便利な弟くらいにしか思われてないことに




イライラしてくる…。









この人に、僕のことで悩ませたい…









タクシーに乗り込み、



この人のマンションの住所を告げたら。



…あとはもう、目を閉じた。






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