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「…ごめんね、…黙って会おうとして」
僕の不機嫌の理由に気付いて。
泣きそうな顔をしながら僕の手を強く握ってきた。
「……。」
ヒョンの性格も分かってる。
ヌナが断り切れなかったんだってのも簡単に想像はつく。
だけど…
やっぱりヒョンには敵わないのかな…
ふと、そんな弱気なことを思う…。
そして、無視するのももう限界な僕の携帯。
今こんな雰囲気のまま帰れないのに、無情にも鳴り続ける。
もう下に着いたんだ。
無理に頼んで迎えに来てもらったリョウクが。
「ごめん、ヌナ。もう行かなきゃ…」
「あ…、キュヒョン…」
うつむき、僕の手をじっと見ていたヌナが顔をあげた。
縋るような目で…。
まるで、僕に振られかけてるみたい。
ありえない(笑)
振られるかもしれないのは、この僕なのに。
「分かったから(笑)
でも…もう黙ってヒョンには会わないでくださいね」
なだめるように、優しく…。
ぽんっと頭に手を乗せたら。
泣かないと頑張ってた表情が緩んでいく。
「キュヒョン……(泣)」
…男はどうしてこうも、女に泣かれると弱くなるんだろう。
特に、…好きな相手ならば。
「…好きです」
今まで何度も告げた言葉。
今もまた、
その泣き顔に愛しさが込み上げてきたから、
…いいよね?
何度でも言わせて?
「あ…私も、…キュ…っ」
最後まで聞くのを待てずに…
覗き込むようにして、唇を重ねた…。
お互いの不安をかき消すように…。
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「…遅い!」
運転席の窓をコンって合図してそのまま助手席に回り込んだ。
「ごめん、リョウク!ちゃんとこの借りは返すからさ」
「あーヤダヤダ。何?その濡れた髪の毛。
やーらしーなー」
「…(笑)」
「まさかお前が女の子の部屋から朝帰りとはねー」
「…ごめんて(笑)」
遠慮なくズケズケとリア充を批判するのが楽しいリョウク(←)
あくびをするたびに「…寝ないで何してたんだか」と悪態をついて。
僕が笑ってあしらってばかりいるから「…ありえない」とため息ばかり。
…でも、否定ばかりされてると、
「…お前も彼女作ったら?」
って思わず反論したくなる。
「いいことばかりじゃないでしょ?」
ハンドルを握って、前を向いたまま。
抑揚のないトーンで言われたことは、正論。
うん。そうなんだ。
ヌナを好きで、幸せで…
ヌナが好きだから、辛いんだ…。
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まさみ(プロフ) - 愛来さん» 愛来さん、こんにちは。そう言って頂けてとても幸せです。途中で終わってるもう一つの作品を頑張ろうかなと思ってますので、よろしければそちらで暇つぶししていただけると有難いです(o^^o) (2016年5月21日 15時) (レス) id: 909d176069 (このIDを非表示/違反報告)
まさみ(プロフ) - りんこさん» まさかりんこ大センセからコメがくるとは…!どこを終わりにしていいのか悩んでて、ドンヘを強引に落ち着かせました(笑)次また書く気になれたら書きます(笑)なんせ基本は読み手なものですから☆ (2016年5月21日 11時) (レス) id: 909d176069 (このIDを非表示/違反報告)
愛来(プロフ) - まさみさん、こんにちは。終わっちゃうの?いやだ〜もっと読みたいです。 (2016年5月20日 16時) (レス) id: 4d319ddc53 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - まさみさん♪まさみさんのぎゅうちゃんに最後まで一途に愛されて幸せです(>_<)ヌナの些細な言動で機嫌が直るとこ可愛くて母性本能擽られました…!今後もぎゅうちゃんはメンバーに嫉妬しながらも大事にしてくれるんだろうなぁ♪最初から読み返します!お疲れ様でした☆ (2016年5月20日 16時) (レス) id: a89a5160d9 (このIDを非表示/違反報告)
まさみ(プロフ) - ようこさん» ドンへ、全く出てこなかった…。ごべんねぇ、よぉごじゃぁぁん← (2016年5月1日 22時) (レス) id: 909d176069 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まさみ | 作成日時:2015年6月20日 16時