二人の関係

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僕がノンアルコールを頼んだので

慌てて僕に合わせようとしたから…


「この人にはビールで(笑)」




店員が出て行った広い個室。


「タクシーにすれば良かったのに…」

なぜかちょっと拗ねてる感じが、
それだけ僕に打ち解けてくれてるようで、


…嬉しい。




「いいんです。…今日はちゃんと僕が送りたいから(笑)」



僕とこの人との、初デート。



部屋に送り届けるまで、
二人きりを楽しみたいって思ったんだ。









「…キュヒョン君は、お酒強いよね？強い人って、酔ってもあんま変わんないよねー」

ケラケラと笑うその笑顔が、いつもより明るく見えて、


僕を喜ばせる。


「んー、そうですね。…ヌナは弱いですよね？酔ったら…、大胆になる(笑)」





「うん(笑)普段ガマンしてるものが弾けちゃう感じね。…お酒の力借りなきゃ、何にもできないのよ、私…」


…だろうね。

ガツガツくるタイプじゃないのは、
明らかで。


きっと、

ヒョンとの付き合いも、

…たくさんガマンしてたんだろうな。





「…ヒョンの話、してもいい？」

酔った勢いでいいから、正直に教えて…？





「ん(笑)…いいよ」

見慣れた、寂しげな笑顔だ…。








「あの時の電話が別れた理由？

ヒョンは…ドタキャンしたヌナを怒ったことも理由のひとつって言ってたけど…」



自分を好きだという男相手に、
…言いにくい話かな？

でも、ヒョンをよく知る相手と思えば、
…話しやすい相手でしょ？



グラスの水滴を指でなぞりながら…

あ、癖だなって。
またひとつこの人のことを知れた気分。




「…前に、キュヒョン君に言ったけど。

ほんと、会ってる時は優しくて楽しくて幸せだったの。

でも、会えない時間が多すぎたし…

そのあいだは、ずっとため息ついてるようで…、私、幸せじゃなかった…」


水滴を見ながら話してた顔をあげて




「だから、…あの時。


キュヒョン君が…。




自分と会ってない時でも…
いつでも…

笑顔にしてあげるって。





…そう言ったでしょ。



それに、ね…








すごく、惹かれた…。」





…………。



「…ヌナ…」

飲んでないのに、くらくらする…。





「別れた理由、に…





僕。…も、ある…の？」







…何も言ってくれなかったけど、








酔ってるせいだけじゃない

その潤んだ目が、

…僕をじっと見て。




また一歩、距離が縮まった。

そう思った…。



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