二人の関係

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馬鹿みたいに

なんども…

「会いたい」って。





ほんとは

「好きだ」
「抱きしめたい」

…僕のものになって欲しい。






言いたいことは沢山あったけど。


電話では、限界がある。





「…私、…ズルくない？」

「何で？」

「彼氏と別れた途端、彼氏の弟と会うなんて」




…やっぱり僕らの間には、ヒョンがまだ大きな存在として立ちはだかっている…。


でも。

「それなら僕の方がズルいですよ。今までそばで身を潜めてて、別れた途端こうやって迫るんだから」




…迫る、って言葉。
ちょっと間違えたかなって思ったけど。



「…別に、ズルくないよ…それ」

小さな声…。






その声に…


夢のようなあの部屋での出来事が、

フラッシュバックする。








あの部屋を出て行くとき、

僕の背中に向けられた…


小さな声。





「…キュヒョン君…」






あの時から、

止まったままの…



僕たちの時間を、


始めよう…。





「明日、ソウル着いたら電話します」







.

.

.




どこから出てくるのかな？

大きなビルのエントランスからは、沢山の人が吐き出すように次から次へと出てくる。


夕方、スモーク張りの、通りの反対側に停めてる車からじゃよく見えなくて、もどかしい…




「…ぁ」


いた…。





同僚っぽい女の人と喋りながら、

…分かるよ、そわそわと僕を探してる素振り(笑)






「…もしもし？お疲れさま(笑)」

「！！…キュヒョン君、…凄いタイミング」

「前見て…」




…あの人が、気付いた…(笑)




…笑顔だ。

僕の好きな…あの…





「…乗ってください」

「……ありがとう」



この人を助手席に乗せるのは2度目。

あの時握った手が、少し近く感じるのは気のせいか？



その手がさっきからずっと動いてる。
ニギニギしたり、重ねてみたり…





「ヌナ？…別に取って食いやしませんよ(笑)」


びくん、と肩を大袈裟なほど動かすから





「…緊張が、移りますよ…(笑)」

「あ…ぁ、ごめんなさい」





嬉しいんですよ…

僕を意識してるってことが…。





僕たちの関係が


…変わろうとしてる

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