RESET〜ＫＨ＆ＹＳ〜 ４

176 ページ29

息苦しさに目覚めた。

身動きが取れなくて、身を捩る。



…ぎゅに、抱きつかれてる…。









私の醜い嫉妬と、
ぎゅの妙な浮かれ具合のせいで、

ぎこちなかった二人。

自分で…。
ぎゅは私のものだって確認したくなって
思い切って一緒にお風呂に入ってみた、けど。




やっぱり、そう…なって…。///

まるで…

私から…欲しがった、みたい？







それでも、ぎゅは

私をたくさん、たくさん。

愛してくれた。



身体を繋ぐこと以上に、思いを伝える術を知らないかのように。


身体より、

心を繋ごうと、


ゆっくりと、優しかった。


いつもよりたくさん「愛してる」をくれた。









「キュヒョナ…。愛してる」


揺さぶられて…
さっきは言えなかった言葉。

目の前の白い肌に擦り寄りながら、呟く。



掠れた声。

眠るあなたに届いたかな？


ぎゅが、光り輝く世界で生きていく以上。
その側に寄り添いたいと決めたからには。

きっと何度も揺らぐんだろうな。




この人の隣にいていいのか…って。




だから。




その度に、こうやって

抱きしめてね…。



側にいていい、って

その声で、何度も…何度も…。









次に目が覚めたのは、くちびるに感じた微かなぬくもり。

思わずぎゅっと目を瞑ると

「何？起きてたの？やらしー(笑)」

「…っ！違うよ！」


目を開けたら、鼻がくっつくほど近くにぎゅがいたから、びっくりして少し仰け反ったら

「…甘い雰囲気ゼロだな(笑)」

って。
寝起きの浮腫んだ顔したアイドルに言われた。






今日はお店の定休日。

珍しくゆっくりできる朝。



二人で暮らすってこんな感じかな？

ぎゅがシャワーをしてる間に、
朝ごはんを用意する。


少しずつ溜まっていくコーヒーメーカーを、頬杖つきながら眺めて、思う。






あ…、今わたし。


すごく、幸せだ、って。





.

177→←175

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す