悪女潰す系女子を潰します系女子。

５２。 ページ7

恋バナ中での恋している女の子は、話の中心になりやすい。


羽瀬川さんは、それを狙ったのだろう。




「羽瀬川ちゃんの気になる人？ 超気になるッ！」




現に先輩達は羽瀬川さんを中心とした話の輪を作っていた。


誰、誰？ と聞く先輩達に、顔を赤らめた羽瀬川さんは、小さな声で「……梟谷の、５番の人。」と呟いた。




「５番って、赤葦？！」




キャー！ と、笑う雀田さん。
京治さんねぇ……。

随分と攻略が難しそうな人が好きなんだな。



まぁ、これが演技という説もあるけど。




京治さんといえば、私と羽瀬川さんの素をすぐ見破った事で、何かと印象の深い人物である。


確かに、顔は整ってるし、紳士的だしで、悪い所はこれといって無い。




私だって、違う形で会っていたならばもしかしたら＿＿＿＿。


けれども、京治さんの前では下手な動きをできない事もあり、京治さんに惚れている余裕など私には無いのである。




「恥ずかしぃ……！」


「良いじゃん！ 私応援するよ！」




これで羽瀬川さんへの印象も少し変わってしまったのだろう。
先輩達は、羽瀬川さんの恋を応援する事になっていた。



めんどくさい事してくるな〜……。

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