【HQ】俺らのマネージャーは…一体何なんだろうか【青城】

59話 ページ19

ーその日の夜



あの後、アオイも聖臣クンも帰り、皆がアイスを食べて、また練習を再開した

で、今は自由時間

私はアカネと2人で体育館にいる



茜｢…前と同じ高さで良いわね｣

『え、ブランクあるから少し下げて…』

茜｢わかった、そのままね｣

『チョット！！』



まァいいか…

私はアカネにボールを投げる

アカネがトスをあげる

私は全力で跳んだ



あ



ドンピシャ



ｯﾊﾞﾝ！！！



良い音が鳴り、ボールが落ちる



『…何だかんだ合わせてくれるジャン』

茜｢アンタと合わせるの久々すぎて間違えただけよ｣

『照れんなって』

茜｢照れてない｣



あー

ヤバいな今



『……アカネ、私、今が1番楽しいかも』

茜｢…奇遇ね、私もよ｣

『…もう一本頂戴』

茜｢言われなくても｣



ーーーーーーーーーー



アカネにトスを上げてもらって、5本目



『ハァッ……ハァッ……』

茜｢相変わらずスタミナ無いわね｣

『無理…水……』

茜｢ハイハイ｣



アカネに水を貰い、水を飲み込む

あー…ホントスタミナ少なすぎるな私…



茜｢…私が言うのもアレなんだけどさ、バレーまたやれば｣



アカネが突然そんなことを言う



『…したくても無理だヨ。私は膝を…』

茜｢嘘なんでしょ、どうせ｣

『……んー…やっぱりアカネ怖いわ』

茜｢…私が、あんなこと言ったから、トラウマになったんでしょ｣

『否定はしない』

茜｢しないのね｣



私は、本当は膝を故障してバレーの試合に出るのは難しいだなんて周りに言ってたけど、嘘だ。

膝は怪我したけど、バレーに支障なんてない



『…私、やっぱり少し怖いんだ。
また私のバレーを否定されるのが』

茜｢……………｣

『私もね、実はあのブロックをやめた方が良いって思った時期はあったヨ』

茜｢……え！？嘘でしょ！？｣

『ホント。練習を止められるわ、チームメイトからも冷たい目で見られるわ、ミスれば皆から責められるわ。
けど、私はやっぱりあのブロックが好きだから。
ドシャットした時の相手の悔しそうな顔を見るのが好きだから。
ドシャットした時のあの気持ちのいい感覚を忘れられないから、やめなかった』

茜｢……そう、なんだ｣

『それに、ある人に｢バレーは楽しむもの｣って教えてもらったから』

茜｢ある人って誰よ…｣

『絶対に教えない』

茜｢何なのよ……｣



教えない、お兄ちゃんにも言ってないからネ

60話→←58話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す