キミに惚れられました。【JK】 (ページ42)

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しばらくバスに揺られると、どうやら目的地についたらしく、一緒に降りる。

すると、そこには一面にひまわり畑が広がっていた。

まるで黄色い絨毯がずっと敷かれているみたい。

それは、今まで生きてきた中で1番綺麗な景色で、言葉を失う。

JK「あれ？好きじゃない？」

不安そうに顔を覗き込んでくるジョングクくん。

『あ、ちょっと、今見ないで！』

手で顔を隠す。

初めてなんだもの。景色を見て感動して涙が出るなんて。

それは景色が綺麗なのもあるけど、ジョングクくんと一緒に見ているっていうことが大きいと思う。

これが他の人だったり、1人だったりしたら、こんなに感動しない。

JK「え！？なんで泣くの！？」

『泣いてない！！ちょっと、綺麗すぎて、感動してるだけ。』

JK「ふーん。」

ジョングクくんは、私の手を掴み、顔から退ける。

JK「ほら、やっぱり泣いてる。」

『恥ずかしいから見ないで？』

JK「なんで？綺麗だよ。泣いてる顔、すごく綺麗。」

綺麗な細長い指で、私の涙を拭ってくれる。

JK「ここの景色。すごく綺麗。
Aちゃんと一緒に見たくて。」

『すごく、嬉しい！』

JK「カメラも持ってきた！
Aちゃんと見た景色を、写真に残したくて。」

ジョングクくんはリュックから、いつか見た立派なカメラを出す。

『ジョングクくん、写真が本当に好きなんだね。』

そう言えば、とても切なそうに笑うジョングクくん。

JK「好きだよ。
Aちゃんと同じくらい・・・好き。」

悲しい表情を見せたのはほんの一瞬で、すぐにいつものジョングクくんに戻って“Aちゃんを撮って、大きな額縁にいれます”なんて冗談を言ってるから、私の思い違いだったのかもしれない。

ジョングクくんは、ひまわりの写真を撮る。

カメラのファインダーを覗き込む姿がまた一段とかっこよくて、つい見惚れてしまう。

ジョングクくんは今まで、そのファインダー越しにどんな世界を見てきたんだろう。

韓国から日本に来て住むって、結構なことだよね。

私は外国に行ってそこに住むなんて絶対に無理だ。

ジョングクくんは凄い勇気を持って日本に来たのだろう。

私には、そんな勇気はない。

改めて思う。ジョングクくんは凄い。

JK「たくさん写真撮れた！」

そう言うジョングクくんは、ひまわりに負けないくらい明るくて温かい笑顔だった。