１０７ ページ7
【JM side】
JM「…あれ？なんか、最初よりも兵が減ってない？」
違和感を覚え始めたのは、戦が始まって随分経った頃。
ずっと、ここでくい止めてきた。
数は明らかにあちらの方が多いけれど、こちらは小さい頃より鍛えあげてきた精鋭たち。
1人で一度に10人は相手にできる強者揃い。
僕も、この剣で何人を切ってきただろう。
できれば、僕の剣は誰かを傷つける剣ではなくて、誰かを守る剣でありたかった。
A様は、こんな汚れてしまった僕に、また、微笑んでくれるのだろうか。
…いや、ここで落ち込んでいる場合ではない。
A様を守るため、パンリュ様を守るため、テヒョン様を守るため。
僕は汚れたとしても、ここで敵をくいとめる。
けれど、最初よりも、何故か兵が減っている気がする。
１００人くらい…だろうか。
負傷しているものや亡くなったものたちを含めても、足りない。
何か物凄く嫌な気がしてきた。
周りを見渡せば、山が見える。
あの山を越えると、街への1番の近道となる。
…まさか。
JM「ちょっと頼む。」
近くにいた奴にそう言い、馬に跨って山へと向かう。
そこには、人が100人程度、通ったであろう跡が残されている。
まさか、ここを抜けて、街へ直接！？
それだけは絶対に許されない。
馬を走らせる。
ああ、僕1人で来たのは間違いだったかもしれない。
数名、引き連れて来るべきだったな。
けれど、そんな時間はない。
敵軍が街まで行ってしまえば、街の人達が。
そして、A様まで危険な目にあってしまう。
僕の心臓は血を吐くのはないかというくらい速く鼓動をうつ。
けれど、そういう時の為に、テヒョン様はジョングクを王宮に残した。
ジョングクは、強い。
僕よりもはるかに強い。
あいつなら、A様のこともテヒョン様のことも守ってくれるだろう。
不幸中の幸いだ。
テヒョン様の判断に、救われたのかもしれない。
街が近づいてくる。
敵に気付かれないよう、山の斜面の上の方を馬で走る。
JM「…嘘だろ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2041人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユナ(プロフ) - 久々に読み返したらまた大泣きしました。素敵な作品を残してくださりありがとうございます。 (12月24日 2時) (
レス) id: bdaee4cca6 (このIDを非表示/違反報告)
chi134340(プロフ) - お久しぶりです。まゆうさんのお話が大好きです。何度も何度も読み返しています。素敵なお話を書いてくださって本当にありがとうございます。 (2022年12月29日 21時) (レス) @page19 id: 71cc208125 (このIDを非表示/違反報告)
airi03ryo(プロフ) - まゆうさんの作品が大好きで全部読んでいるのですが、この作品名が1番好きでもう10回以上読んでは号泣しています。本当に大好きな作品です。こんな素敵な作品を執筆して下さって、本当にありがとうございます。これからも応援しています！また読みにきますね。 (2022年10月23日 23時) (レス) @page21 id: ec6a5bd687 (このIDを非表示/違反報告)
🍚 - 数年前に出会ったこのお話が恋しくて久しぶりに読み返しました。初めて泣いたお話でした。そしてまだ泣きました。笑 このお話をずっと残してくださっていて、ありがとうございます。 (2022年8月30日 9時) (レス) @page20 id: e404ea4948 (このIDを非表示/違反報告)
M - 嗚咽がしました。こんなに泣いたお話を読んだのは初めてでした。楽しくて面白くて続きが気になって仕方がなく、どんどん読み進めてしまいました。とても幸せで、とても苦しくて、あたたかかったです。こんなに素晴らしいお話を書いてくださりありがとうございました。 (2022年4月28日 18時) (レス) @page20 id: f9fae25385 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まゆう。
| 作成日時：2021年1月11日 22時
