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JK「…ヌナ。ヌナ。…A。」
あーあ、情けない。
もう、諦めたはずなのに。
ヌナの幸せの為なら、どうなったって良かったはずなのに。
こうして命が消えようとしている今。
どうしようもなくヌナに会いたくて、どうしようもなくヌナに触れたくて、仕方がない。
ヌナの笑った顔、照れた顔、怒った顔、泣いた顔、驚いた顔…。
もう数十分後には、俺はそれすらも思い出せなくなるのだろう。
ヌナへの想いも、消えて無くなってしまうのだろう。
最後の力を振り絞り、懐からあの指輪を取り出す。
俺の血で赤く染ったそれは、それでも綺麗に輝いていた。
ヌナ。
俺はヌナと結婚して、ヌナと幸せな毎日を過ごして、ヌナとの間に子どもも生まれて、家族で仲良く暮らしたかった。
幼い頃に本当の家族を失い、1人ぼっちの俺だったけど、ヌナと一緒に、幸せな家族になりたかった。
死にたくないよ、ヌナ。
俺、もっともっと、ヌナと一緒に居たかったよ。
ヌナを残して、死ぬなんて。
自分が選んだ道だけど、本当に悔やむよ。
血とともに、涙もとめどなく溢れ出す。
雪が降り始める。
春になれば、俺は、ヌナと、祝言をあげて、幸せな夫婦になっていたのかな。
俺は永遠にこの冷たい冬の中にいる。
暖かい春は、ヌナにだけやってくる。
その時、ヌナが笑っていたらいいな。
どうか、俺を忘れてください。
他の誰かと幸せになってください。
けど、来世か、またその次か。
何百年、何千年先になっていい。
いつか、ヌナと一緒に暖かい春を迎えたい。
その時には、また言うね。
JK「ヌナ、愛してる…」
ヌナを縛りたくなかったくせに、俺の中の細胞は、最後の最後に、ヌナを手放せなかったらしい。
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ユナ(プロフ) - 久々に読み返したらまた大泣きしました。素敵な作品を残してくださりありがとうございます。 (12月24日 2時) (
レス) id: bdaee4cca6 (このIDを非表示/違反報告)
chi134340(プロフ) - お久しぶりです。まゆうさんのお話が大好きです。何度も何度も読み返しています。素敵なお話を書いてくださって本当にありがとうございます。 (2022年12月29日 21時) (レス) @page19 id: 71cc208125 (このIDを非表示/違反報告)
airi03ryo(プロフ) - まゆうさんの作品が大好きで全部読んでいるのですが、この作品名が1番好きでもう10回以上読んでは号泣しています。本当に大好きな作品です。こんな素敵な作品を執筆して下さって、本当にありがとうございます。これからも応援しています！また読みにきますね。 (2022年10月23日 23時) (レス) @page21 id: ec6a5bd687 (このIDを非表示/違反報告)
🍚 - 数年前に出会ったこのお話が恋しくて久しぶりに読み返しました。初めて泣いたお話でした。そしてまだ泣きました。笑 このお話をずっと残してくださっていて、ありがとうございます。 (2022年8月30日 9時) (レス) @page20 id: e404ea4948 (このIDを非表示/違反報告)
M - 嗚咽がしました。こんなに泣いたお話を読んだのは初めてでした。楽しくて面白くて続きが気になって仕方がなく、どんどん読み進めてしまいました。とても幸せで、とても苦しくて、あたたかかったです。こんなに素晴らしいお話を書いてくださりありがとうございました。 (2022年4月28日 18時) (レス) @page20 id: f9fae25385 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆう。
| 作成日時：2021年1月11日 22時
