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『いや、無理です。私はあなたと結婚できません。
好きじゃないし。結婚したいと思わないし。』
「そんなこと言って。
俺のこと好きだっただろ？
俺のことを許せないのは分かる。
だから、俺に一生償わせてくれ。
泣かせた分、幸せにする。」
なんだ、このポジティブ人間。
自分に酔ってるの？
『好きだったのは前の話で、今は好きじゃない。
償いなんて良いから、どうか、私のことは忘れてください。』
「俺にチャンスをくれよ。」
『チャンスも何も、…私、結婚してるし。』
「…は？結婚？俺と？」
『んなわけあるか。
他の男性と結婚しているので、あなたと結婚することは絶対に無いです。
さようなら。』
これ以上話したくなんかない。
それに、早く帰らないと、また社長に叱られる。
そろそろ、社長と約束した期限がやってきて、私はクビになるかもしれないんだ。
ここで立ち止まっている場合ではない。
その場を立ち去ろうとしたが、手首を強い力で掴まれる。
『っ、痛い、離して。』
「俺と別れてすぐ結婚しているってどういうことだよ？
浮気していたってことか？」
先程の馬鹿みたいな爽やかな笑顔とは打って変わって鋭い剣幕で私を睨む。
あぁ、これは言うべきじゃなかったな。
『浮気なんてするわけないでしょ。
あなたと別れてから出会った人だから。』
「そんなに簡単に他の男と結婚できるだなんて、お前は尻軽女だったんだな。
そんな下品な女とは知らずに結婚なんてしてしまうところだった。
別れて正解だった。」
今度は何を言い出すんだ。
なんで、私がこいつに軽蔑されないといけないんだ？
…まぁ、軽蔑されても仕方ない結婚ではあるけど、こいつだけにはそんな風に思われたくない。
『尻軽女でも良いよ。だからもう、手を離して。』
「っ、俺の人生を無茶苦茶にしやがって。」
私の頬向かって振りかざされた手。
無茶苦茶にしたのはどっちだよ。
心の中でそんなことを思うほどには冷静で、距離を縮める手はスローモーションで見えた。
その手が私の頬へと到達する前に、元婚約者の体は思い切り横へと倒れていった。
「どんな理由があっても、女の子に手を挙げたらダメだと思う。」
地面へと倒れた元婚約者を冷めた瞳で見下げる女性。
凄く綺麗で可愛らしい女性。
だけれど、彼女の足は蹴り上げられていて、その細い足が彼を蹴り飛ばしたということが伺える。
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うに(プロフ) - もう何度も読んでますがやっぱり大好きなお話です！また更新される日を待ってます！ (4月29日 21時) (
レス) @page45 id: fc966db95f (このIDを非表示/違反報告)
Sharon(プロフ) - めっちゃ好き！更新待ってます (2月5日 18時) (レス) @page45 id: ba78d037f7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 今日も好きすぎます まゆうさん ありがとうです。 (8月20日 21時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
たたたった(プロフ) - 面白かったです!!更新待ってます☺️☺️ (7月18日 22時) (レス) @page45 id: 8d4bed92ac (このIDを非表示/違反報告)
たぬき - 続きが気になってしょうがないっっ！！！ (7月17日 13時) (レス) @page45 id: 6d3f164a1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆう。
| 作成日時：2021年9月12日 21時
