４２ ページ42
TH「ヒョン、怖いもんなぁ。Aちゃんのことになると、すっげぇ怖いもんなぁ。」
ブツブツ言いながら、ハンカチを物色している。
『あ。』
TH「どうしたの？」
『これ。いいなぁと思って。』
目の前にあったハンカチを１枚手に取って見せる。
青が基調のチェック柄で、端っこには月の刺繍がしてある。
TH「MOONのハンカチだね。」
MOONというのは有名なブランドで、衣類から家具、アクセサリーまでいろいろな物を手掛けている。
世界規模のブランドだ。
『ほら。ソクジンさんって、月みたんじゃないですか？
綺麗で、あたたかくて、大人っぽくて。』
テヒョンさんは、自分の顎に人差し指を添えて黙り込む。
何やら考えているようだった。
『やっぱりだめ…ですかね。』
TH「いや、いいと思う。それがいいよ。
ヒョンにピッタリだね。」
テヒョンさんはパァッと笑顔になって、賛成してくれる。
『本当ですか？』
TH「ほんと、ほんと！」
『では、私これを買ってきますね。』
私はハンカチを片手に、レジカウンターへと走る。
TH「…Aちゃんって、勘がいいんだね。
ヒョン、びっくりするだろうなぁ。
まぁ、たまにはこういうサプライズもいいよね。」
会計を済ませてプレゼントを包んでもらい、テヒョンさんと店を出る。
『テヒョンさん、個人的な買い物に付き合わせちゃってごめんなさい。』
TH「ううん。楽しかったよ。いろいろ新鮮だったし。」
２人で並んで、家へと向かう。
少しずつ暗くなってきた空を見上げる。
『暗くなるの、早くなりましたね。』
TH「そうだね。もうすぐ秋だからね。
食欲の秋、運動の秋、芸術の秋〜！！」
『テヒョンさん、楽しそうですね。』
TH「楽しいよ。俺はいつだって楽しい。
…そういえば、Aちゃん、大学受験ってするの？
受験生だよね？」
『実は、まだ悩んでて。
このご時世、高卒での就職は厳しいですし。
だからと言って、大学で学びたいこともない。
将来の夢も、これといって…。
もし大学を受けるとして、両親のいるところにするべきか、ここらへんにするべきか。
本当は、親と一緒にいるべきなのでしょうけど、それだとソクジンさんと離れちゃいます。』
ソクジンさんと離れる。
そのことを考えると、胸は途端に苦しくなる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2767人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆう。(プロフ) - ぽむ.さん» 教えてくださりありがとうございます！この作品、リメイクしているものでして、元が北海道にしていたので、そのままうってしまいました。すみません…。韓国が舞台で合ってます。すぐ訂正致しました。本当にすみません。 (2020年11月4日 7時) (
レス) id: c199fca4fa (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ - ジンがチミだったかー (2020年11月2日 20時) (レス) id: d305fb51e1 (このIDを非表示/違反報告)
k.n(プロフ) - さすがです！チミがジミンちゃんかと思いきや、違う誰かがと思いきや！！流れがさすがです！ジンくんの真っ直ぐな愛で思い出しますように♪ (2020年10月29日 9時) (レス) id: 1a3cfb96cd (このIDを非表示/違反報告)
SiN(プロフ) - まゆうさんのジンくん、好きです(*´ω`*) (2020年10月28日 22時) (レス) id: bb3875de40 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ - ジンかっこよすぎ (2020年10月25日 9時) (レス) id: d305fb51e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まゆう。
| 作成日時：2020年10月23日 23時
