５ ページ5
JN「ふふ、顔が真っ赤。もしかして、ファーストキスもまだとか？」
『関係ないです！！！！』
何だ、この人。
最初の大人っぽい優しい雰囲気はどこへいった。
早速騙されてしまったよ。
見た目は王子様のようだとか思っていたのに、中身は鬼だ、鬼。
ムッツリスケベな鬼！！！！
JN「…とりあえず、さっきの続きする？」
ソクジンさんはにっこり目を細め、私の頬に自分の手を添える。
『しません！！！離してください！離せこのやろう！』
私には、チミがいるんだ。チミが。
睨む私にひるむ様子もなく、ソクジンさんの妖艶な瞳は私の唇を捉え、そして顔を近づけてきた。
その艶っぽい表情に心臓がトクンと跳ね、体は動かない。
けれども、何故か、温かい液体が頬を伝う。
JN「…泣かないでよ。」
ソクジンさんは顔を離し、指先で私の頬を伝う涙を拭った。
『すみません。』
いや、何で謝ってるんだろ。
どう見たって、悪いのはソクジンさんなのに。
ソクジンさんはギュウッと優しく私を抱きしめた。
JN「無理やりしようとしてごめん。」
私の耳元で、優しく甘い声がそう呟いた。
『いや、めっちゃくちゃ嫌なわけではないんです！！！
ただ、私には、すすすすすす好きな人がいましてですねっ、』
ソクジンさんに心を惑わされ、言葉もしどろもどろ。
JN「好きな人っ！？」
ソクジンさんがガバッと肩を掴んで私の体を離し、顔を見てくる。
何をそう、焦っているんだい。
『ええ。幼なじみなんですけどね。
チミって言うんですよ。』
ソクジンさんは綺麗な瞳を丸くした。
JN「あぁ、そう…凄い変わった名前だね。キャラクターか何か？」
『多分、愛称だと思うんですよね。
小さい頃とても仲が良くて。
凄く優しくてあたたかくて綺麗な心を持った人で。
結婚しようって約束もしました。』
ソクジンさんは真剣な表情で聞いてくれ、そしてにっこり微笑んだ。
JN「今はどうしてるの？」
『知りません。何故か小さい頃の記憶がところどころ欠如していて。
顔も名前も思い出せないんです。
あんなに大好きだったのに。
覚えているのは、チミって呼んでいたことと、結婚しようねって約束をしたことくらい。』
でも、とてもあたたかくて幸せな記憶。
JN「ふーん。」
今、どこにいるんだろうね。チミは。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2767人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆう。(プロフ) - ぽむ.さん» 教えてくださりありがとうございます！この作品、リメイクしているものでして、元が北海道にしていたので、そのままうってしまいました。すみません…。韓国が舞台で合ってます。すぐ訂正致しました。本当にすみません。 (2020年11月4日 7時) (
レス) id: c199fca4fa (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ - ジンがチミだったかー (2020年11月2日 20時) (レス) id: d305fb51e1 (このIDを非表示/違反報告)
k.n(プロフ) - さすがです！チミがジミンちゃんかと思いきや、違う誰かがと思いきや！！流れがさすがです！ジンくんの真っ直ぐな愛で思い出しますように♪ (2020年10月29日 9時) (レス) id: 1a3cfb96cd (このIDを非表示/違反報告)
SiN(プロフ) - まゆうさんのジンくん、好きです(*´ω`*) (2020年10月28日 22時) (レス) id: bb3875de40 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ - ジンかっこよすぎ (2020年10月25日 9時) (レス) id: d305fb51e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まゆう。
| 作成日時：2020年10月23日 23時
