９ ページ9
JN「お前、馬鹿だよねー。」
開店準備中、ソクジニヒョンが呆れたように俺に声をかける。
アイツが来なくなって１週間。
アイツの存在がどれほど、自分の中で大きかったのか、思い知っている所。
JN「・・・・あのさ。
もう言うけど、あの子はユンギを心配して、毎日来てくれていたんだからね。」
・・・・・・・・・何、それ。
JN「毎日、お前が泣きそうで、辛そうな顔をしてカフェに来るから、それが気になっていたらしい。
だから、お前を笑顔にしたかったそうだ。
毎日、相談されたよ。
どうやったら、ユンギを笑顔にできるか。
・・・・・・まぁ、ユンギを苦しめていたのは俺なんだけどね。
でも、あの子といるユンギを見ていると、楽しそうだったし、いつものユンギに戻ったようで、俺は嬉しかったよ。」
何だよ、それ。
何だよ・・・・・・アイツ、俺に隠し事多いだろ。
JN「あの子ね、」
YG「っ・・・・・・」
ヒョンの言葉を聞いて、店を飛び出す。
あの、カフェに飛び込めば、あの日、アイツの隣にいた男が、カフェの制服を着て立っている。
YG「はぁっ、はぁっ・・・あのっ、」
これだけの距離で、こんなに息切れがするなんて。
「あぁ、あなたは・・・・・。」
男はにっこり微笑む。
なんだ、笑ったアイツの顔にそっくりじゃん。
「妹がお世話になりました。」
妹。
俺は勝手に勘違いして、アイツを傷つけたんだ。
YG「あの、彼女は今どこに・・・・。」
男は少し驚いた顔をして、そして悲しそうに笑った。
1人でモノクロの世界を歩く。
“あの子ね、本当は自分も辛いのにそれを我慢して、ユンギの為に、明るく振舞っていたんだよ。”
何だよ、それ。
“妹はもう、ここにはいません。”
何だよ、それ。
“なんか、重い心臓病を抱えていて、手術をしないといけないんだって。
少しでも早くしないといけないのに、あの子は、もう少しだけ待ってくれって。
ユンギ。お前が笑顔になるまでは手術は受けないって、断ってきたらしい。”
何だよ、それ・・・・・
“あの日ね。最後のお別れを言いに来ていたんだよ。
ユンギが笑ったから。もう、心残りはないって。”
記憶の中のあいつの笑顔が言う。
“ユンギさん？何気ない日常が、案外幸せなもんなのですよ。”
その言葉の重さを、俺がやっと今になって知った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1034人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
jiminluv - あー！！！！びっくりしたーーー！！！あー！あー！よかったー！止まってしまったかと...自分の心臓も今一瞬止まった... (2021年1月7日 14時) (
レス) id: c0b4be166f (このIDを非表示/違反報告)
jiminluv - あーッッッッッ！！！びっくりしたぁぁ！止まったかと...あー。あー。よかった。自分の心臓も今一瞬止まった... (2021年1月7日 14時) (レス) id: c0b4be166f (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - わー！完結お疲れ様でございました！！塩で辛辣なユンギさんも、お砂糖過多なあっま甘ユンギさんも味わえる素敵な作品ありがとうございました(土下座)！私もMOONまで徒歩3分圏内に住みたい…(真顔) (2020年8月27日 1時) (レス) id: 8fe90f0add (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - うぅ…純粋に物語に感動して、いや！なんで心臓止まったん？！泣 って号泣してたら無事蘇生して安心しました…続き気になるぅ…(；ω；)そうです！我こそはユンギペンです！なのでユンギさんが出てくるだけで過剰反応示しますのでお気をつけ下さいませ…← (2020年8月26日 0時) (レス) id: 06576ab87b (このIDを非表示/違反報告)
まゆう。(プロフ) - yu.さん» 分かりにくくてすみません！！表紙にも書かせて頂いたのですが、ユンギさんに恋した方が主人公となります！！ジンくんと結婚した子も、他の話では主人公だったので、そこに他の名前を当てはめたくなくて、ややこしくなってしまいました(>_<)申し訳ありません。 (2020年8月24日 18時) (レス) id: c199fca4fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まゆう。
| 作成日時：2020年8月23日 14時
