１８ ページ18
『ななななななな、なんで。』
YG「ここ、病院。今、夜。お前うるさい。」
『だって、いや、だって！！！！』
YG「ふぅ…。おまえ、どこにいてもどんなときでもうるさいのな。」
『ユンギさんが日本にいるはずないのに。
ユンギさんがこんな、病院になんているはずないのに。
ユンギさんは、私が嫌いなはずなのに。』
涙がポロポロと溢れ出てくる。
嬉しい？悲しい？寂しい？苦しい？
驚きのあまり、自分の感情が分からない。
とにかく、ユンギさんがいる。
きっとこれは夢なんかではなくて、紛れもない事実で、私はそんな夢のような今に涙を流す。
この、宙に浮いている私の手、思い切って、どさくさに紛れてユンギさんの背中に回しちゃっていいだろうか。
ドキドキしながら背中へと近づいていくと、今日に肩を掴まれてガバッと離されるものだから、それは叶わなかった。
ちぇ。
YG「悪い。急に。セクハラで訴えるとか言わない？」
『言うわけないじゃないですか。
何度も言ったでしょ？私はユンギさんにベタ惚れなんですよ。
チューされたって訴えませんよ。』
そんな冗談を言って笑えば、ユンギさんの瞳が揺れた。
そして、私の後頭部に手を置いて顔を近づけた。
ふにっという甘い感触。
私の中は脳内パニックを起こしている。
だって。え？だって。
顔を離して、目を細めるユンギさん。
YG「お前さ、もっといい顔しろよ。」
『だって、こんな状況、混乱するに決まってるでしょうが。』
YG「キスしても良いって言ったの、お前じゃん。」
『それとこれとは別です！！！』
ユンギさんがおかしい。
ユンギさんがおかしすぎる。
私を嫌いだと言ったユンギさんが、私を抱きしめた。私にキスをした。
もう、これは夢に違いない。
神様が1番最後に幸せな夢を見せてくれているのだろう。
YG「泣きすぎ。おまえがそんなに泣いたら、俺まで泣きそう。」
微笑みながら、親指で私の涙をやや乱暴に拭うユンギさん。
あんなに見たかったレアな笑顔を、こんなにいとも簡単に見せてくれているなんて。
もう一度ユンギさんに会いたい。ユンギさんの笑顔が見たい。そんな我儘な夢が叶ってしまった。
ユンギさんは眉尻を垂らしながら苦笑いを浮かべた。
YG「…ごめん。俺、お前を傷つけた。
でも、そもそもお前も、俺に隠し事多すぎ。」
『あー…ソクジンさんが全部話しちゃいましたか。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1034人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
jiminluv - あー！！！！びっくりしたーーー！！！あー！あー！よかったー！止まってしまったかと...自分の心臓も今一瞬止まった... (2021年1月7日 14時) (
レス) id: c0b4be166f (このIDを非表示/違反報告)
jiminluv - あーッッッッッ！！！びっくりしたぁぁ！止まったかと...あー。あー。よかった。自分の心臓も今一瞬止まった... (2021年1月7日 14時) (レス) id: c0b4be166f (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - わー！完結お疲れ様でございました！！塩で辛辣なユンギさんも、お砂糖過多なあっま甘ユンギさんも味わえる素敵な作品ありがとうございました(土下座)！私もMOONまで徒歩3分圏内に住みたい…(真顔) (2020年8月27日 1時) (レス) id: 8fe90f0add (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - うぅ…純粋に物語に感動して、いや！なんで心臓止まったん？！泣 って号泣してたら無事蘇生して安心しました…続き気になるぅ…(；ω；)そうです！我こそはユンギペンです！なのでユンギさんが出てくるだけで過剰反応示しますのでお気をつけ下さいませ…← (2020年8月26日 0時) (レス) id: 06576ab87b (このIDを非表示/違反報告)
まゆう。(プロフ) - yu.さん» 分かりにくくてすみません！！表紙にも書かせて頂いたのですが、ユンギさんに恋した方が主人公となります！！ジンくんと結婚した子も、他の話では主人公だったので、そこに他の名前を当てはめたくなくて、ややこしくなってしまいました(>_<)申し訳ありません。 (2020年8月24日 18時) (レス) id: c199fca4fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まゆう。
| 作成日時：2020年8月23日 14時
