役立たずのポンコツヌナ２【JK】

９２【JN】 ページ42

メンバーと離れて、笑わなくなったAを、僕は見ていられないよ。







それに、教えてやりたい。


Aは役立たずなんかじゃなかったよ。




最初、まだまだバラバラだった僕たちを、兄弟にしてくれたのはAだ。



僕たちが一つになって、デビューできたのも、Aの分まで頑張るっていう気持ちと、Aを守れるくらい大きくて力のあるグループになってやるっていう、僕らの決意が一致したから。






全部、Aのおかげだよ？









笑わないAを見た時、何度も後悔した。









僕が事務所に誘ったから。




だから、Aは見なくてもいい汚い世界を見ることになった。


苦しむことになった。


全部僕のせいだ。








でもね。


メンバーと一緒にいるAは、本当に楽しそうで、幸せそうで、キラキラと輝いていた。






僕はもう一度、Aのそんな笑顔を見たい。


Aに、僕が見るキラキラとしていて綺麗な景色を見せたい。







でも、Aをそんな笑顔にできるのも、Aに綺麗な景色を見せるのも、もう僕では無理なんだよ。





なんか、寂しいね。






でも、僕はAのオッパだから。




Aがいつも自分のことより人のことを考えてしまうように、僕の一番はいつだってAで、僕が一番に考えるのは、Aのことだよ。






だから、A。


もう、傷つかなくて良いよ。



自分を愛してあげて。









僕はマネージャーになった妹と、そんな妹に恋する不器用な弟を見守る、少し滑稽なオッパにでもなろうか。

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