１０９【TH】 ページ9
いつものように、配達に行く。
下手くそだったリボン結びも、10回に1回は綺麗にできるようになったから、今日はAに、俺がラッピングした花束をあげよう。
朝、元気なかったし・・・。
喜んでくれるかな？
小さな花束を片手に、車へと向かう。
JM「テヒョン。」
珍しく寝坊したのか、ボサボサの髪で遅めの出勤のジミン。
TH「おはよー。Aのとこに配達行ってくるねー。」
JM「・・・僕さ、Aちゃんのこと、最初はテヒョンを傷つけるやつくらいにしか思ってなかったんだよね。」
TH「え、急に何のカミングアウト？
好きになったって？あげないよ。」
JM「いやぁ、それは無いよ。
関わるうちに、放っておけないなぁと思って。
なんか、Aちゃんといると、落ち着くんだよね。」
TH「でも、あげないよ。」
JM「だから、そういう話じゃなくて。
僕たちの大切なあの子の名前、覚えてる？」
もう。Aもジミンも、なんで皆、あの時の話をしたがるんだろう。
TH「それが、名前を思い出せないんだよ。」
JM「僕は忘れたことなかったよ。
忘れられなかった。
凄く凄く、大切な子だから。
まぁ、たまたま同じ名前だなぁとは思ってたけど、まさか、」
TH「もうー！何が言いたい？
はっきり言えよ。
その子の名前がどうしたの？
俺だって、あの子のことは忘れないよ。
でも、思い出せないんだよ。」
大好きだった笑顔も、優しかった声も、全部思い出せない。
今でも願ってるよ？
どうか、あの子が、新しいあの兄弟と、幸せな人生を歩んでいますようにと。
JM「お前は、それどころじゃなかったもんな。
あの時。」
TH「・・・まぁ、苦しかったよ。」
俺を見て、気味が悪い、人間じゃない、怖い、近寄るな・・・そんな言葉を、大好きな人達から投げられた。
今は、勲章だと思えるけど、あの時はただひたすら苦しくて、なんで俺は吸血鬼なの？って何度も何度も問いかけた。
誰も答えてはくれないのに。
JM「・・・お前は、あの子を救ったこと、後悔してる？
あの子を助けなければ、お前は吸血鬼ではなかっただろ？
あのまま、普通の人生を歩んでいた。」
TH「でも、ジミンは1人でも、助けに行ったでしょ？あの子のこと。
それは絶対嫌だし、今となっては、あの子を助けられた代償がこの程度なんだから、良かったと思ってるよ。
Aがね、言ってくれるんだ。
この目も好きだって。」
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あがしおん(プロフ) - 読みながら何度もうるうるして……。と思ったらかのお話の高校教師さんが出てきてびっくり！いろいろ接点が見え隠れするお話で、あっという間に読了してしまいました！素敵なお話でした！最後の最後まで楽しめました。 (2020年8月8日 23時) (
レス) id: 7e5b19fe00 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃん(プロフ) - まゆうさんの小説が面白すぎて、最近の楽しみなっています。バンタンをきっかけにここにたどり着きましたが、バンタン抜きでも素敵なお話です。 (2020年7月2日 1時) (レス) id: daa490c22a (このIDを非表示/違反報告)
BeBe(プロフ) - 凄く面白かったです!!出来れば小話的な感じで、ジミンちゃんのシスコンぶりを続編で読みたいなぁ〜と期待してみたりしてます♪♪ (2020年5月11日 3時) (レス) id: eeaa1b2b6c (このIDを非表示/違反報告)
まゆう(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございます！気付いていただけたということは、他の作品も読んでくださっているということですね！？幸せです！！これからもよろしくお願いします！ (2020年5月9日 21時) (レス) id: 77e5296d5f (このIDを非表示/違反報告)
まゆう(プロフ) - taさん» コメントありがとうございます！そうです、ジョングク先生カップルを登場させてみました。気付いていただけて嬉しいです！ (2020年5月9日 21時) (レス) id: 77e5296d5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆう
| 作成日時：2020年5月4日 22時
