108【TH】 ページ8
きっと、俺たちを励ましてくれているのだろうか。
ジミンと俺で、あの子を挟んで抱きしめて眠る。
無事でよかった。また、会えて良かった。
もう、会えないかと思った・・・・・。
翌朝、目が覚めたら、あのお兄さんはいなくなっていた。
ジミンと交代しながらあの子を背負って下山する。
あの子の家につく頃には、すっかり日が暮れてしまっていた。
家について、インターホンを押して出てきた、彼女の新しい兄弟。
彼女を見るなり、安心したように大粒の涙を流すもんだから、今、この子は愛されてるんだなってほっとした。
もう、会えないかもしれない。
でも、俺もジミンも、きみのこと、凄く大切に思っているからね。
ずっとずっと、愛しているよ。
全てを話し終えた時、Aは目に涙を溜めていた。
TH「まぁ、結局、あんな激痛に耐えたのに、吸血鬼にはなっちゃったけど・・・。
でも、あれがなかったら、俺はあの男のように、本物の吸血鬼になって、誰かを襲っていたと考えると、あの、ワールドワイドハンサムには感謝してる。」
『・・・・テヒョン、その子を助けなかったら、吸血鬼になんてなっていなかった?』
Aがポロポロと涙を流すものだから、慌てて、指先で涙を拭う。
TH「なんで、Aが泣くの!?
大丈夫だよ!!
その子を守れなかった方が、絶対後悔した。
大切な妹だもん。」
そう言うと、さらに目を見開くA。
予想外の反応に、俺も驚く。
TH「え?何・・・?」
『その子、妹だったの?』
恐る恐る聞くA。
TH「そうだよ、妹。双子のね。」
凄く大切だったのに、凄く愛していたのに、今は名前も思い出せない。
それは、あの苦しい日々のせいだろうか。
『あ・・・・えっと・・・・仕事!時間ないから、行くね!!!』
そう笑って、走っていくA。
どうしたんだろう。
最後見た、Aの悲しそうな顔が頭から離れない。
何がそんなに悲しいの?
吸血鬼にはなっちゃったけど、俺は後悔していない。
あの、お兄さんが言っていたように、きっとこれは、あの子を守れた勲章だから。
それに、Aは、この紅い瞳も、綺麗だと言ってくれる。
好きだと言ってくれる。
こんな俺を、愛してくれる。
Aに出会えて良かった。
そう、俺は、思ってるよ。
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あがしおん(プロフ) - 読みながら何度もうるうるして……。と思ったらかのお話の高校教師さんが出てきてびっくり!いろいろ接点が見え隠れするお話で、あっという間に読了してしまいました!素敵なお話でした!最後の最後まで楽しめました。 (2020年8月8日 23時) (レス) id: 7e5b19fe00 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃん(プロフ) - まゆうさんの小説が面白すぎて、最近の楽しみなっています。バンタンをきっかけにここにたどり着きましたが、バンタン抜きでも素敵なお話です。 (2020年7月2日 1時) (レス) id: daa490c22a (このIDを非表示/違反報告)
BeBe(プロフ) - 凄く面白かったです!!出来れば小話的な感じで、ジミンちゃんのシスコンぶりを続編で読みたいなぁ〜と期待してみたりしてます♪♪ (2020年5月11日 3時) (レス) id: eeaa1b2b6c (このIDを非表示/違反報告)
まゆう(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございます!気付いていただけたということは、他の作品も読んでくださっているということですね!?幸せです!!これからもよろしくお願いします! (2020年5月9日 21時) (レス) id: 77e5296d5f (このIDを非表示/違反報告)
まゆう(プロフ) - taさん» コメントありがとうございます!そうです、ジョングク先生カップルを登場させてみました。気付いていただけて嬉しいです! (2020年5月9日 21時) (レス) id: 77e5296d5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆう | 作成日時:2020年5月4日 22時