５８ ページ8
【YOU side】
『テヒョンくん。』
TH「なにー？」
『何してるのかな？』
TH「何って・・・・Aちゃんにあーんってしてる？」
私の口の前にお粥を掬ったスプーンを差し出して、自分の口をあーって開けているテヒョンくん。
え、自分で食べれたんじゃん。
恥ずかしいのを我慢して、食べさせたのに。
『自分で食べられるよ。』
TH「いいから！はい！！」
ニコニコと無邪気な笑顔を見せられれば、それを断れるわけがない。
恐る恐る口を開けば、スプーンをねじ込まれる。
TH「おいし？」
首を傾けて聞いてくる。
『〜っ・・・・・美味しいよ。』
自分で作ったんだけどね。
それでも、本人は嬉しそうに笑って、また一口分スプーンで掬って、ふーっと息を吹きかけて冷ましている。
どちらが病人なのだろうか。
先程よりも、かなり顔色も良くなり、呼吸も楽そうだ。
何より、作りすぎたと思ったお粥をほとんど1人で食べきったのだから。
食欲はあるみたいで良かった。
時計を見れば、４時。もう夕方じゃん。
私が時計を見たことに気付いたのか、少し寂しそうな表情を浮かべる。
TH「・・・・もう帰るの？」
『え、あぁ・・・・えっと・・・・。』
そんな悲しそうな目で見られたら、帰るなんて言えない。
そう思っていたけれど、急にニコッといつもの笑顔を見せる。
TH「今日は、ありがとう！！
おかげで、熱も治りました。
大切なお休みなのに、ごめんね。
送って行けれなくてごめん・・・・・。」
『え？』
先程まで、寂しそうな顔していたくせに、何だ、この変わりよう。
TH「明るいうちに帰ってね。気を付けて帰るんだよ！」
そう言って、鞄を私に持たせて、玄関まで私の背中を押していく。
『なんか、私、追い出されてる？』
TH「なぁに言ってんの！
もう俺は大丈夫だから。
あ、今日の買い物のお金！」
『いやいやいや・・・いいよ。
いつもお世話になってるんだし。』
TH「でも、」
『早く元気になって、一緒にご飯食べに行こうね。』
TH「うん！！じゃあ、またね！」
テヒョンくんは笑顔で手を振る。
私も同じように笑顔で手を振り、テヒョンくんの家を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆう(プロフ) - ふらさん» コメントありがとうございます！いろいろ予想しながら読んで頂けて嬉しいです！ (2020年5月6日 22時) (
レス) id: 77e5296d5f (このIDを非表示/違反報告)
まゆう(プロフ) - のぞみさん» のぞみ様〜！！！！毎回、コメントに励ましていただいてます！手のひらで弄ぶ・・・なんか、かっこいいですね← (2020年5月6日 22時) (レス) id: 77e5296d5f (このIDを非表示/違反報告)
まゆう(プロフ) - パンダパンダさん» コメントありがとうございました！私の書くキャラは、素直でない人だらけで・・・（涙）いつも読んでくださりありがとうございます！ (2020年5月6日 22時) (レス) id: 77e5296d5f (このIDを非表示/違反報告)
ふら(プロフ) - 実のお兄ちゃん…整った顔…えっこれテヒョンくんだったらどうしよう！まさかのジンくん…？とかワクワクしてたので、更新されて答えが出た時『きゃーーー！！』って叫んじゃいました……＞＜ 文才とても憧れます…このお話大好きすぎて胸が苦しいです（笑） (2020年5月4日 22時) (レス) id: 980a03a8d9 (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ(プロフ) - まゆうさん！！お久しぶりです←コメントしたいのに、我慢してました笑今回も素敵です。はぁ…文才って罪ですね……まゆうさんの掌で弄ばれてます！！恋っていいですねぇ。何度も投票済みですってなるファンより。いつも更新ありがとうございますっっ！！ (2020年5月2日 15時) (レス) id: 6ce2d3bb22 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まゆう
| 作成日時：2020年4月26日 23時
