この恋、冷たいけど甘かった。２【JK】

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JK「・・・・・・おめでとうございます。
初めまして、ジョングクです。」





そんなの、俺にできることは、ただ、ヌナを知らないフリをすることだけじゃないですか。



上手に笑えているだろうか。


ヌナは目に涙を溜めながら微笑む。






『キム・Aです。
私、ジョングクさんの、ファンなんですよ。』





ヌナは変わらず、俺のことを応援してくれているんだ。



俺、ヌナのこと忘れちゃったのに。




ヌナの元に戻るって言ったのに、戻れなかったのに。


こんな俺のこと、嫌いになったって仕方ないのに。







涙が滲みそうになるのを必死で耐える。





だって、泣いてしまえば、俺がヌナのことを思い出したってバレてしまうでしょ。




ダメだよ、そんなの。


ヌナが幸せになれない。



ヌナには笑顔でいてもらわなくちゃ。






JK「テヒョンイヒョン、どこで出会ったんですか。」



TH「ん？このカフェ。」




JK「いいですね。俺も早く彼女欲しいです。」



TH「お前、彼女出来たことないんだっけ。」



JK「・・・ないですよ。一度も。
人を好きになったことすらないですから。」





これが、俺がヌナにできる最後の愛し方です。









ヌナ。


あの時のことは、無かったことにしましょう。


それが、２人の為です。


俺たちは、アイドルとファン。


それ以上でも、それ以下でもないんです。






ヌナを見れば、泣きながら、笑っていた。









JK「あの、記念に握手していいですか？」





俺は手を差し出す。



ヌナは、戸惑いながらも、俺の手を握った。



ほら、ヌナ。


本物の俺は温かいでしょ？







ヌナ。


幽霊の俺は冷たかったでしょ？


でも、ヌナのことを考えると、心はポカポカ温かかったんだよ。







ヌナ。


もう、ヌナの涙、甘い匂いがしないよ。

それは、俺が幽霊ではないからかな？

それとも、ヌナがヒョンの婚約者だからかな。







ヌナ。



俺に恋を教えてくれてありがとう。


俺にあの事件を乗り越える強さをくれてありがとう。







ヌナ。



俺は、ヌナのこと、もう、絶対に忘れないよ。








だから、ヌナ。









お願いだから、俺のこと、忘れてください。









震えるヌナの手を離す。




さよなら。








この恋は、これでおしまいです。








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