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後片づけを終えて時計を見れば、休憩時間も残り15分となっている。
『じゃあ、私はこれで戻ります。』
JN「ダメだよ。あと、15分もある!」
『知ってます?ここから私のデスク、片道10分はかかるんです。
5分前行動は社会人の基本ですよ?』
そう言えば、分かりやすく肩を落として落ち込むオッパ。
JN「せっかく二人きりになれたのに。」
『どうせ、明日のお昼にはまた会うのですよね?』
先ほど、そのような契約を勝手に結ばれてしまった。
JN「でも、明日の昼までは24時間もあるんだよ?
それまで耐えられないよ。」
24時間くらい、耐えられるだろう。
そもそも、今まで全く会わない人生を送って来たのだ。
24時間なんてあっという間だろう。
JN「・・・じゃあ、少しだけ抱きしめてもいい?」
何が、じゃあ・・・だ。
上目遣いでこちらを見つめてくるオッパ。
その純粋な瞳を見れば、ダメですなんて言えない。
欧米風の挨拶ということにしてしまえば、問題なんてないだろう。
これは抱きしめるとかではなく、ハグだ。挨拶だ。
私はゆっくりと頷く。
すると、思い切り手を引かれ、優しい温もりに包まれる。
背中に回された大きな手は、私とオッパの距離を更に縮めるかのように、力を入れてくる。
ハグなんて可愛いものではなかった。
心臓が飛び出してしまいそうだ。
行き場のない私の手は、重力に従って下へとぶら下がったまま。
オッパの背中に回さないのは、私の小さな抵抗です。
『オッパ、苦しいです。』
JN「あと少しだけ。」
オッパの声が耳元で聞こえる。
その甘い声に、耳が痺れ、背中がゾクリとなる。
今のはわざとだろうか。それとも天然なのだろうか。
オッパの声は危険だ。
私は心臓の音がオッパに聞こえませんようにと念じながら、大人しくオッパの腕の中に収まる。
JN「・・・はぁ。やばい。」
そう呟いて、オッパはやっと私から離れる。
オッパは自分の顔を両手で隠して立っている。
オッパの表情はこちらから見えない。
『どうしました?』
JN「嬉しくて、表情管理ができない。」
『オッパが表情管理なんてできたことありますか。』
JN「無いね。」
そう言えば、オッパは手を下げて、ふにゃりと笑う。
その顔はとても嬉しそうで、ほんのり赤かった。
そんな反応をされると、困る。
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jiminluv - ちなみに申し上げますとジミナ様はお酒にお強い方です...。お話、面白いですね。 (2021年3月5日 18時) (レス) id: 7465c06286 (このIDを非表示/違反報告)
JIN LOVE - ジン君サイコー!これからも更新がんばってください! (2019年12月28日 21時) (レス) id: 7edd2e40dd (このIDを非表示/違反報告)
まい - ジンぺんなので最高です!大人なジナたまらない!社会人なので会社という設定がやばい!最後まで楽しみにしてます(^^) (2019年12月11日 10時) (レス) id: 693c0f6f88 (このIDを非表示/違反報告)
Km - 1話目読んで感じました。私この作品好きです!笑 これから読ませていただきます! (2019年12月6日 23時) (レス) id: 617d4e2c73 (このIDを非表示/違反報告)
まゆう(プロフ) - Pちゃん()さん» 教えて頂きありがとうございました。早急に直しました。 (2019年12月3日 19時) (レス) id: c199fca4fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆう | 作成日時:2019年11月24日 22時