重岡大毅 ＊ SCARS

22.お兄さん ページ22

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淳「西岡さん、話聞いてくれますか？」






中間さんの優しい声が
後部座席から聞こえる








はい、と答えてルームミラーで確認すると






お兄さんらしく微笑んで
重岡さんの頭を撫でていた







淳「シゲ、相当苦しんでたんです。
沖縄に来る前からずっと。



彼女の束縛が耐えられへんって
俺らも何回も聞いてたんやけど、



まさかこのレベルまで来てるとは
思わんくて。


朝も、普段は寝起きええのに
ロビーには時間になっても来ないし、


部屋行っても出てこなかったんです。




おかしいなーって思ったらあんな状態で。



シゲに聞いたら、メール返すのが
遅くなっただけやったって。



大阪に戻ったらもっと
酷くなると思うんです。



だから、沖縄は楽しみたい。
…楽しませてやりたいって皆で考えてました。



西岡さん、ええ場所知りませんか？
ゆっくり出来るとことか。



最後くらい楽しませてやりたいんです。
よろしくお願いします」








話を聞き終わった瞬間、涙が溢れ出していた







何もできなかった無力さ




苦しそうな寝息




中間さんの優しさ




メンバー皆さんの優しさ









私には何が出来る？



どこに行ったら楽しい？








今日の仕事もやり遂げられないなと
この時点で確信してしまった






3人にばれないように涙を拭う







A「いい思い出にして
大阪に戻ってくださいね！！


私も頑張ります！！」








優しく笑う中間さん





真剣な表情の藤井さん






重岡さんを心配そうに覗き込む、



小瀧さんにそう答えた





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