仔犬と蝶 Ⅱ (ページ21)

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『お邪魔しました』

みんながまた来てねと言うと

BH｢俺送ってくる！｣

と飛び出してきた小型犬

『ベクオッパ、危ないよ？？』

BH｢こんな暗い中女の子1人で帰らせるほうが危ないから！｣

そう言うと強引に手を引いて歩いていくベクオッパ

『ありがとう』

BH｢へへっ｣

お礼を言えば照れるベクオッパ

あー、キヨウォ…

BH｢見事にみんなに取られちゃった｣

『え？』

BH｢宿舎だと、2人のときみたいに話せなかったからさ…今しゃべれて嬉しいの！｣

そんなこと言うから私は勘違いするんだよ？

わかってるのかな、このオッパは

しかも、宿舎を出る時に引かれた手は繋がれたまま

それでも10分もない家との距離は短くて、すぐ終わりがきてしまった

『送ってくれてありがとう』

BH｢全然、大丈夫だよ！｣

手を繋いだままどちらも離すことなく、視線を交わせたままお互い無言になった

2人の間に優しく撫でるように風が吹いて、私から口を開いた

『じゃあn…』

開いたのに、暖かくて柔らかい何かに口が塞がれた

思わず閉じた目を開けば、ベクオッパの顔がものすごく近くにあった

あぁ、私今ベクオッパにキスされてる

BH｢じゃあね！｣

笑顔で去っていくベクオッパの後ろ姿を眺めながら1人立ち尽くしていた