【HQ】猫だって愛されたい!!! (ページ6)

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にゃん63 ページ6

「赤葦さん迷子ですねー」

「⋯⋯うん、そうだね」

全く心配そうじゃない声に、俺の不安はどんどん積もっていく

さっきから手を握ったまま

ここに来て、彼女とまで迷子になってしまったら、もうほとんど見つける事は不可能だろう

『会場の皆様にご連絡いたします。まもなく花火が上がりますので、周りのお客様の迷惑にならないようご覧ください。繰り返します＿＿＿』

アナウンスが鳴り響く

どうやらもう、花火は始まるらしい

スマホが震えて確認してみると『俺ら良い場所確保したから見てるわ。赤葦迷子？』と木葉さんから来ていた

『茶種さんと一緒にいます』と返すと『もう迷子になんなよー』とニヤニヤした絵文字とともに送られてきた

⋯⋯ごもっともです

ここはそんなに良い場所じゃないのか、どんどんと人混みが流れていく

周りが見渡しやすくなったときに、俺は茶種さんの歩き方の不自然さに気づいた

「⋯⋯足、怪我してるよね」

「あ、ばれちゃいました？」

履き慣れてなくて、と言うからには、おそらく足を怪我したのだろう

擦れたのかもしれない

このまま歩かせるのは良くないと判断した俺は、茶種さんの前にしゃがみ込んだ

「乗ってください。座れる場所探しましょう」