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「なあA」
「なあに」
「やっぱなんでもねえ」
なにそれ、
そうやって笑う声が聞こえると安心する
今日の泣き出しそうだった顔が頭をよぎる
話すことねえくせに、電話は切りたくない
話題を探して座り直しながら口を開く
「えーっと、⋯⋯そう言えばさ、Aは将来の夢の作文、なんて書いた?」
「え、私?」
今日現代文の授業で書かされた課題
それしか話題が出てこないなんて、自分の余裕の無さがバレないかと心配になる
「誰かのお嫁さんかな」
喉がゴクリと鳴る
書いてはないけどね
照れくさそうに言う
お嫁さん⋯⋯ふーん⋯⋯
平静を装いながらも心に荒波が広がっていく
「私は私を、私だけを愛してくれる人のお嫁さんになりたいの」
そんなの、俺がしてあげるのに
「今から勉強するからさ、通話つけたままにしていい?」
「⋯⋯おう」
口を開きかけた時に遮るように告げられた言葉
言ってはいけないのだと線を引かれたような気がして、居心地の悪さと同時に、なんとも言えない孤独感が俺を包んだ
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まあ(プロフ) - 地獄の番人さん» ありがとうございます!これからもがんばります! (3月11日 21時) (レス) id: 32d641a401 (このIDを非表示/違反報告)
地獄の番人 - 面白かったです。スチ♡ (3月11日 21時) (レス) id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあ | 作成日時:2024年3月11日 21時