にゃん54 ページ32
合宿終了まで残り1日
生川との試合を終えて、みんなドリンクを流し込んだ
「まっじであちぃ⋯⋯」
「夜久さん俺のスパイク見てました!?見てました!?」
「おう、お前のヘボレシーブなら見てたぞ」
「そんなっ!」
暑苦しいからこっち来るんじゃねー
リエーフは他のやつの何倍も一緒にいて暑い気がする
すかさず離れる
さっきの試合を思い出して、これは今晩もレシーブ練習が必要そうだなとリエーフの方を見た
すると何か感じとったのか、背筋をブルっとふるわせた
「見てー夜久さん、これまでの戦績まとめてみました!まだ途中なんですけど」
「お、ありがとな」
Aがまとめてくれたプリントを見る
字が丁寧でわかりやすくまとめられている
あと、午前のところは隣でまだやってる森然と梟谷だな
梟谷の方がリードしてて、もうすぐ試合は終わるだろう
「じゃあうちもうちょっとまとめてから行くんで、皆さん先に食堂行ってて下さい!」
「おうわかった」
「がんばれよー」
椅子に座り直したAは熱心にペンを動かしている
タオルで流れてくる汗を拭きながら、黒尾に追いつくように少し小走りになった
「やっぱ梟谷は強えな」
「ん、なかなか勝ち越せねぇ」
木兎のスパイクが森然のコートに突き刺さる
春高予選ではこいつらと戦う可能性が十二分にある
俺らが春高で代表に残るためには、この強力なスパイクを拾わなければいけないのだ
梟谷のサーブから一発で戻ってきたチャンスボールを、赤葦がまた木兎にあげる
ただ、その時いつもより勢いがついていたのか、大きくアウトになって、ボールはコートの外へ
ノーバウンドで飛んでいくその先にいたのは⋯⋯
「ッAっ!」
俺の声で頭を起こしてしまったAだった
その後頭部に勢い良くボールがぶつかり、ばったり前へ倒れ込んだ
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作者名:まあ | 作成日時:2024年3月9日 13時