【HQ】猫だって愛されたい!! (ページ31)

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にゃん53 ページ31

廊下の角、教室まであと少しという所

その曲がり角からスガさんが出てきて、バッチリと目が合う

「す、スガさん、しー！」

Aが口に指を当てて必死にアピールする

それだけで察したのかこくりとうなずき、そのまま「あー大地、やっぱ俺飲み物いーや」と戻っていった

あっぶねえ

心臓がバクバク言ってる

スガさんとか東峰さんとかだったら、ちょっと一緒に自販機行ってました、で通じるけど、大地さんは絶対無理だ

目ぇ見られた瞬間全部バレちまいそう

「せーふ、あぶなかったね」

「おう、最後まで気を抜いちゃダメだな」

「うん」

そのまま静かに教室まで戻り、ドアを閉めたところで「はぁ〜」と2人でため息をつく

「遅いぞ！」

「うるせえ」

だったらお前が行ってみろ

買ってきたものを近くの机に置くと、早速リエーフが中からコーラを取り出した

「ありがとなー」

「お、うまそうなお菓子ある！」

コーラコーラ、と言いながら開けるのを見て、そういえばこれ、さっきAが勢いよく振ってたよなと思い出す

「⋯⋯Aお前えぇ！！」

「きゃー、ごめんなさぁい！」

リエーフはコーラをかぶってずぶ濡れになったまま、Aのことを追いかけ回していた

それを眺めながら、俺は日向が開けたお菓子を1つ口の中に入れた

「(夜にこっそりデートかぁ、いいなぁ)」

スガさんに、盛大な勘違いをされているとも知らずに