【HQ】み ゃ ー つ む 注 意 報【宮侑】

. ページ35

いやわかっとる、わかっとるよ



俺は額に手を当てて首を振る


俺のためっちゅう事は十分にわかっとんねん



でも、Aちゃんを見つめるヤローどもの視線

それが気に食わんねん



初めは気づかんくらいやった


ちょっとほっぺピンクやなぁとか、唇ピンクやなぁくらい


明確になったのは、つい最近

特に、今日


あろうことか、真っ赤なリップを塗ってきたのだ



「赤リップはあかん⋯⋯男を殺しに来よる⋯⋯」


その全力で軽蔑しとるみたいな目線やめてくれん？


俺だって、健全な男子コーコーセーや

押し倒したいという欲望の1つや2つある


でも、それに耐えてこそ男やん


やから今まで距離をとってきたのに⋯⋯



「侑先輩！」



さっき笑った時の紅い唇が残像のように残っている


シッシッ、あっち行け



そんな俺をよそに角名はさっきから熱心にスマホを見つめている



何見てるんやろ、と思って覗き込むと何かの動画が流れている

⋯⋯待って、これこないだ俺とサムが喧嘩したときのやつやん




「角名くんショーゾーケンノシンガイって知っとる？？」


「漢字書けるようになってから出直してきなよ」


「⋯⋯出直してきます」

.→←紅

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す