【HQ】み ゃ ー つ む 注 意 報【宮侑】

注意報21 ページ21

やっぱり待ってようかな



そう思い直した私は下駄箱でしゃがんで先輩を待っていた


時計をちらりと見た

もう30分は過ぎている



今日は早く終わりそうやから一緒に帰らんか、という誘いを断った自分を恨む


断ったくせに待ってるとか、呆れられないだろうか

大丈夫、あの時はちょっとムッとして断っちゃっただけだもん



カーディガンに顔をうずめた


まだかな

また時計を見る


いつもより針が回るのが遅いな



⋯⋯教室、行っちゃおうかな



もしかしてそろそろ終わってるかもしれないし

一緒に帰りましょ、ってびっくりさせちゃお


そうと決まったら、早速立ち上がって、先輩のいる2組へむかう


もしかして他の人と喋ってて遅くなってるのかも

終わってなかったらチラッと確認してまた待ってればいいよね


昨日、先輩と近づいた距離を、もっと近づけたい



教室を覗き込んでピタリと止まった


先輩は教室にいた


でも、1人じゃないし、一緒にいるのは女の先輩だった



楽しそうに話してて、時折侑先輩の頭を撫でている


先輩も笑顔で楽しそう




なんで＿＿＿



なんで私には触らせてくれないのに、近づかせてくれないのに

なんであの人はよくて私はだめなの？

なんで、ねえなんでよ



私は先輩の彼女なのに



ぎゅうっと唇を噛んでいるのに気づいて、慌ててその場を立ち去る



キリキリと心臓が傷んだ



ねえ、どうして？

どうして私はだめなの？




しゃがみ込んで、溢れ出る涙を強引に擦った

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