【HQ】み ゃ ー つ む 注 意 報【宮侑】

注意報19 ページ19

「⋯⋯あんま嗅がんといて、汗臭いかもしれやん」

「そんなことないです」



ぎゅっと袖口を握り締めて、口元を覆った


ふわふわとした気持ちがする



「そういうとこやでほんま⋯⋯」



先輩の髪から水が滴った

綺麗な横顔に見惚れる


ちょっと肩を寄せる


肩が触れるとびくっとなって、でもそのままそばにいてくれる




雨が、普段とは違う侑先輩にしてくれているのかもしれない


見上げた先の赤い顔


あなたの照れている顔が好き

こっちを見つめる時の、目の優しさが好き



「あ、雨やんだ」



さっきまでの灰色の雲は、遠くの方まで流れていた


あちこちに小さな水たまりができている



もう少しだけ、降っていてもよかったのに


身勝手に残念だと思う


水溜まりの道を歩きながら、そっといつもより近づいた



「先輩、晴れちゃいましたね」

「おん、晴れちゃったな」



少し天邪鬼なこの気持ちを2人で共有できていることが嬉しかった

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