【HQ】み ゃ ー つ む 注 意 報【宮侑】

注意報12 ページ12

ドキドキしながら教室の入り口に立つ



食べてもらえるかな、美味しいって言われるかな


わざわざいつもより1時間も早起きして頑張って作ったのだ

喜んでもらえるといいな＿＿＿




ピタリとそこで止まる



「侑くんおにぎりあげるー」

「侑、今日クッキー作ってきたんやけど食べやん？」

「ええの！？食う！」

「はは、侑はよう食べるなあ」



侑先輩と、それを取り囲むような女子の先輩たち

次々に先輩に食べ物を渡していく


ズキっと胸が痛んだ



あんなにもらってるなら、侑先輩、私の弁当なんていらないじゃん

作ってきた弁当が、さっきよりも重く感じる



1人が先輩の頭を撫でた

なんで私には触らせないのに、あの人には触らせるの



嫌な自分が見えてきて、入り口から遠ざかった



「なんや、戻ってきたんか」

「⋯⋯やっぱ今日はやめときます。また今度渡します」

「渡さなくていいの」

「今日はいいです」



自分の分の弁当を開いて口に運んだ



ぎゅっと箸を噛む


何よ、ふん、いーもんね


「⋯⋯治先輩食べます？」

「ええの、じゃあもらうで」

「⋯⋯本当にいいの」

「いいんです」



俺ちょっとトイレ、と角名先輩が立ち上がった

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