【HQ】恋に泣くなら君がいい【宮侑】 (ページ11)

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そのまま大皿を取り上げると、机の真ん中に置いて箸を並べた

まあ案外いいんじゃないだろうか

米を茶碗に盛り付けると、座らんのか、と正面に促した

「で、ほら食べるんやろ」

「いやいいよ、宮さん外で食べてきたら」

食べたらお腹壊すかもしれないよ、と本気で心配しているのが面白い

火は通っているのだから腹を壊すことはないだろうし

せっかく作ってくれたのだから、食べなければ失礼だろうと箸を伸ばした

「ほら、⋯⋯食えんこともない」

「無理しなくていいよ」

「いや、見た目はアレやけど、ちゃんと食えるで」

「その顔で言われても説得力ないよ」

世間一般でハンバーグと呼ばれるものに比べれば、少しパンチの効いた味

でも丁寧に作ったのが感じられる

久しぶりの《自分のために作られた飯》だからだろうか

それが少しスパイスになって味を引き立てているのかもしれない

「うん、美味しくない」

「そんなこと言うなや」

「美味しくないんだもん」

わかりやすく眉根を寄せると、もう一口と小さく口に運んだ

更に顔が険しくなる

そんな姿に思わず笑いが零れると、箸を咥えたまま睨みつけられる

「次は頑張るね」という言葉が優しく胸に木霊した