101話 この日の為に ページ7
ヴィオラside
悲鳴をあげながら逃げ惑う人々を掻き分け、迷わずに彼の元へ向かった。
「トラファルガー・ロー！待っていたわ!!」
目線の先にはキャベンディッシュに抱えられたトラファルガーと、レベッカやキュロス兄さんもいた。
「ヴィオラさん!!」
「レベッカ！無事で何よりだわ！キュロス兄さんも、よくディアマンテを倒してくれました…」
さっきぶりだと言うのに、長い間離れていたような感覚になる。
本当に、生きててくれてよかった…
それもこれも、麦わら達のおかげ。
せめて、今私に出来ることをしたい。
「ヴィオラさん！さっきドフラミンゴの弟が…」
「事情はわかってるわ！みんなこっちへ…トラファルガーに見せたいものがある！」
そう言いながら手招きをして、皆を路地裏へと誘導した。
「おい、見せるって何をだ？もう小人に腕はくっつけてもらった。俺も早く上に戻りてぇんだが」
「心配しなくてもすぐ終わるわ……もっとも、貴方が真実を受け入れるまでにかかる時間にもよるけれど…」
地面に降ろされたトラファルガーの額に手を添える。
「これは、私がAの心を覗いた時に見た、彼女の記憶よ。これはドフラミンゴの弟、ロシナンテに見せたものと同じ……」
この日のために、Aの記憶を忘れぬよう何度も思い出してきた。それを今、トラファルガーの脳内へ映しだす。
トラファルガーと共に下りてきた人々は、何が起こっているのか分からず、周囲を警戒しながらも私たちの事を気にしていた。
「い……あ、……か、なん。だ………ぅわぁぁああ！」
時間が無かったから急足で記憶を流し込んだ。そのせいなのか一気に膨大な、しかも"あんな記憶"を見せられれば、叫びたくなる気持ちもわかる。
放心状態の彼を見つめていると、レベッカ達も不安そうに近づいてきた。
「ヴィオラさん、何がおきてるの？」
「大丈夫だと思うけど…無理もないわ。彼は今、自分が辿るはずだった人生を見ているの……」
自分が死ぬ場面も、それを必死に守ろうとしていた人物の事も。そしてその人を知らずに今まで生きてきたという事実…彼はどう受け止めるのだろうか。
「それは今、知る必要があったのか？」
キャベンディッシュの疑問もわかる。でも…
「Aがよく言っていたの。世界の道理からは逃れられないと…だけど、時に感情はその道理を超える力になり得る、とも言っていた。過去へと時間を戻した彼女が言うんだから、きっと本当よ」
人は守るものの為に強くなれる。
全てを知った彼は、もっと強くなれる。
戦う意味が、変わったはずよ。
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yoku(プロフ) - つきみさん» 最後まで読んでいただき、有難うございました！！中々次のお話も筆(指)が進まない中、楽しみにしてくれてる方がいると思うと励みになります！コメント嬉しかったです(^^)ありがとうございました！ (6月12日 17時) (
レス) id: 3e98715bc9 (このIDを非表示/違反報告)
つきみ(プロフ) - 完結おめでとうございます！爆速で作品を追うことは出来てなかったのですが最後まで楽しく読まさせていただきました！！続編)etcも|´-`)ﾁﾗｯﾜｸﾜｸとひっそり楽しみにしてます！長期間お疲れ様でした！！ (6月12日 0時) (レス) id: 4d0f4686e5 (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - プスメラウィッチさん» そうかも、しれませんね(^^) (5月29日 19時) (レス) id: 3e98715bc9 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - この小説はトラファルガーローオチですか？ (5月29日 18時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - あかさん» こちらこそ、読んで頂いて、そして素敵なコメントまで頂けて…ありがとうございます！！更新遅くなってしまってますが、きちんと完結させますので、もう少しお付き合い頂けたら嬉しいです(^^) (2023年3月12日 12時) (レス) id: 39058f50de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yoku | 作成日時：2022年12月23日 0時
