125話 ライバル ページ31
no side
「っ！すぐ近くに海軍が！港にも続々と…時間がないわ!!」
ヴィオラの声で我に返るロシナンテとA。
ローも急げと言わんばかりに"ルーム"を発動させる。
Aはロシナンテから静かに離れ、ヴィオラの目の前に立つ。
『ヴィオラ……ありがとう』
そして、互いに強く抱きしめる。
「礼を言うのは私の方よ！A、貴方のお陰で希望を捨てずに生きられた…貴方は大切な…私の友人よ」
『ありがとう…ヴッ…グスッ……絶対、絶対…また、会いに来るがらッ！！！』
そう言い、ヴィオラから勢いよく離れた。
それと同時に、海軍らしき声があちこちから聞こえてくる。
「A！時間がねぇ！！早く来い！」
『ええ！！それじゃあ、二人とも…元気で……』
シュン
ローに手を引かれた後、Aは言葉を言い終わる間もなく、姿を消した。
ダダダダッ！！
三人が消えた後、入れ替わるように海兵達が集まってきた。
「ロシナンテ中将ー！海賊がこの付近に現れたと情報が…」
「…あぁ、俺たちも探してたとこだ。東から西へ向けて追いかけて来たから、お前らは南の西に分かれて向かってくれ。俺は北へ向かう」
「はい！！！」
手際よく海兵達は二手に分かれ、ロシナンテの命令通りに散っていった。
「…会えて、よかったでしょ？」
物陰に隠れていたヴィオラ王女は、周りに人がいない事を確認し、ロシナンテの隣に立つ。
「それは君もだろ？」
「ふふ、そうね。私にとって、Aは特別だったの……彼女の新しい旅路が、幸せなものでありますように」
「…俺も一緒に、祈るよ」
二人は掌を合わせ、ゆっくりと目を閉じた。
・
「まさか王女もライバルだったなんてな！」
「ち、違うわよ！そーゆうのじゃないわ！」
「ハイハイ！…じゃ、そろそろ戻るさ……俺は兄の護送に駆り出される。だから、今日までだ…世話になった」
ロシナンテは右手を王女に差し出しす。
「こちらこそ、会えてよかったわ…お元気で」
ヴィオラは差し出された手を握り返す。
その後二人は笑顔で別れた。
たった数日の出来事ではあったが、出会い・別れを一度に沢山体験する事になったヴィオラは、王宮までの帰り道、これまで起きた事を思い返していた。
「ライバル、ね…あながち間違ってないのかも」
誰に言うわけでも無く独り言を呟く。
その頬には静かに涙が伝っていた。
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yoku(プロフ) - つきみさん» 最後まで読んでいただき、有難うございました！！中々次のお話も筆(指)が進まない中、楽しみにしてくれてる方がいると思うと励みになります！コメント嬉しかったです(^^)ありがとうございました！ (6月12日 17時) (
レス) id: 3e98715bc9 (このIDを非表示/違反報告)
つきみ(プロフ) - 完結おめでとうございます！爆速で作品を追うことは出来てなかったのですが最後まで楽しく読まさせていただきました！！続編)etcも|´-`)ﾁﾗｯﾜｸﾜｸとひっそり楽しみにしてます！長期間お疲れ様でした！！ (6月12日 0時) (レス) id: 4d0f4686e5 (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - プスメラウィッチさん» そうかも、しれませんね(^^) (5月29日 19時) (レス) id: 3e98715bc9 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - この小説はトラファルガーローオチですか？ (5月29日 18時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - あかさん» こちらこそ、読んで頂いて、そして素敵なコメントまで頂けて…ありがとうございます！！更新遅くなってしまってますが、きちんと完結させますので、もう少しお付き合い頂けたら嬉しいです(^^) (2023年3月12日 12時) (レス) id: 39058f50de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yoku | 作成日時：2022年12月23日 0時
