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116話 非力 ページ22

no side


「見送らなくてよかったの?」
「言ってただろ…アイツは今も昔も俺の嫌いな海兵だ。馴れ合う必要なんてねぇよ」

ロビンの問いに、ローは冷たく答える。

「ま、いきなり俺たち"知り合いでしたー"だの、"命の恩人でしたー"なんて言われても、困惑して当然だな」


ゾロのたまにでるまともな意見に、皆が納得する。


「俺も、どうすりゃいいか、わからねぇ…だから早く目ぇ覚ませよ……ちゃんと話してくれよ、A……」


目頭を抑えながら、ローは掠れた声でAに話しかける。それでも答えてくれる様子はなく、規則的な呼吸を繰り返すだけだった。







ドレスローザの中心部には、海軍のテントが張られ、適当な班に分かれて休んでいた。

日付も変わろうとしている頃、バレないようこっそりとテントに戻るのは、先ほどまでキュロスの家にいたロシナンテであった。



そーっと音を立てずにテントの中へ入ろうとしたが…


「今お戻りで?」
「っ!?イッショウさん……起きてたんですか」


背後から現れたのは大将藤虎。
表情は読めないが、怒っているようには見えない。


「もう…戻ってこないかと思いやしたよ」

一息ついてから話し始める。

「…考えなかったと言えば、嘘になります。でも、俺にも守るものと……あの人に助けてもらった恩がある。まだまだ…ッ…やらなきゃならねぇ、事もある……ヴッ…俺はもう、アイツの側には…いられねぇ……んで、……」


途中からロシナンテの声が震え始め、目から鼻から、水が溢れ出る。
みっともないと思いながらも、止めることができずにその場に座り込んだ。

状況を察した藤虎は、同じように体勢を低くし、背中にそっと手のひらを添えた。


「ず、ずみまぜん…ヴッ……俺、昔っがら、泣き虫なんっず……我慢、してたのに……ぅあああッッ!!!!」


せき止めていた感情が濁流のように流れ出し、声を上げて、泣いた。ただただ、泣いていた。




見張りの者や、テントの中で休んでいた他の海兵の耳にももちろん届いていたが、皆気づかぬふりを突き通す。いつもは仲の悪いバスティーユ中将でさえ、物陰に隠れ、目頭が熱くなるのを必死に堪えていた。


「俺だけが知らずに生きてたんだ…俺がアイツをあそこまで追い詰めたんだ!!俺が、俺のせいでッ!グッ…俺ぁ、いつも、何もできねぇ……クッ、クソッ!!!クソックソッ!!!あああーーッ!」

ロシナンテの叫び声が国中にまで届くのではと思うぐらい大きくなる。

「…大丈夫です……あんたは間違っちゃいねぇ…少しずつ、受け入れていけばいい……」

そんな彼が落ち着くまで、藤虎は側にいてあげた。

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yoku(プロフ) - つきみさん» 最後まで読んでいただき、有難うございました!!中々次のお話も筆(指)が進まない中、楽しみにしてくれてる方がいると思うと励みになります!コメント嬉しかったです(^^)ありがとうございました! (6月12日 17時) (レス) id: 3e98715bc9 (このIDを非表示/違反報告)
つきみ(プロフ) - 完結おめでとうございます!爆速で作品を追うことは出来てなかったのですが最後まで楽しく読まさせていただきました!!続編)etcも|´-`)チラッワクワクとひっそり楽しみにしてます!長期間お疲れ様でした!! (6月12日 0時) (レス) id: 4d0f4686e5 (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - プスメラウィッチさん» そうかも、しれませんね(^^) (5月29日 19時) (レス) id: 3e98715bc9 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - この小説はトラファルガーローオチですか? (5月29日 18時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - あかさん» こちらこそ、読んで頂いて、そして素敵なコメントまで頂けて…ありがとうございます!!更新遅くなってしまってますが、きちんと完結させますので、もう少しお付き合い頂けたら嬉しいです(^^) (2023年3月12日 12時) (レス) id: 39058f50de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yoku | 作成日時:2022年12月23日 0時

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