最愛の彼を守る方法２

52話　恋するサンジ ページ6

【ドレスローザ街中】
サンジside

「私の頭の中を覗いて…これは今朝のドレスローザの記憶…」

そう言ってヴァイオレットちゃんは俺の頭の中に映像を流し込んだ。
それは余りにも衝撃的で、言葉を失うものだった…


「誤報だなんて…世界政府だと！？どうなってんだ！」
「初めから嵌められていたのよ…今ならまだ間に合うかもしれない！早く仲間に連絡を！！」

あぁ、急がねぇと約束の3時になっちまう！

俺は急いでローに連絡を入れた。


．


「あとはナミさん………くそ！なんで出ねぇんだよッ！」

ローには伝えた…ナミさんは出ない！残るのは…


プルルルルッ

ガチャ！


「っ!!フランキーか！俺だ！今どこに向かってる？！」

《お〜サンジか！お花畑だ！》

この緊急事態にどこ向かってんだよっ！
ピクニックか!!


なんとか現状を共有できそうなのはフランキーだけだ。
どうにか一度合流をしねぇと…


わーー！わーー！


歓声が上がる広場に目をやれば、大きな映像電伝虫が何かを映し出している…

「……」
《ん？どうした》

「……ヴァイオレットちゃん、あれって…」
「コロシアムの映像よ」


"謎の剣闘士、ルーシー強し!!"

おいーーっ！なんでルフィが戦ってんだーっ！！


「フランキー驚くなよ！ルフィが……」


"おお！おおお！？女王はルーシーをお気に召したのか？！こんなにご機嫌なのは初めてみるぞ〜〜!!!"


「な、な！？なんだとッ！！」


ルフィがコロシアムで戦っていることを伝えようとしたが、次に画面に映った彼女を見て、思考が止まった。


「なーーーんて美しいんだぁぁあッ！」

黒くふわふわとした髪！
笑えば少女の様に、見つめればゆらゆらと揺れる妖艶な炎のような赤い瞳！
可愛らしい口元！
日に当たったことがない様な白く輝くお肌。

「フランキー…オレはコロシアムへ行く!!」

《なんでそーなんだよッ！！》

「天使だ！いや、女神か！それとも女王様！！」

《はぁ？何言ってやがんだ。つーかお前はどこで油売ってたんだよ！》

「恋をしていた。そして今もまさに恋に落ちた！」

《……ダメだこりゃ。とにかく花畑に来いよ！》


ガチャン。


誰が花畑になんて…

「黒足！今のが私の言っていた人なの！ドンキホーテファミリーの最高幹部、コラソンの名を持つ通称"ハートの女王"！！そして私の、私の……」

ヴァイオレットちゃん…？


「っ！部下達がこっちに来るわ！早く逃げて！これが工場への地図よ」
「何言ってんだ！君も一緒に…」
「いいえ、私じゃなくていいの！それよりAを！お願い！」


ん？そう言えばローが言ってたのって…

「…黒い髪に、赤い目……」

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