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タイミング ページ4

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「見合いするんだって?」



「うるさいんだよねー上の奴ら。ま、しないけど」



「そろそろ身を固めるかと思った」



「ふーん、硝子は七海に賭けたってわけ」



「一年分の酒かかってるからな」




タバコを吸う硝子は



顔色一つ変えずに



めんどくさそうに僕に目をやる




「別に興味ないけど、あんたがいない2年半は、大きいと思うよ」




「知ってるよ、そのくらい」




だから、連絡できないんだよね なんていう言葉は飲み込む



いざ略奪を目の前にすると



どうも気が引けるのは



僕も大人になったってことなのか



自信がないのか



まあ、紛れもなく後者なんだけど



あいつらの仲違いをしたいわけではないと



一歩引いてみてしまう




「帰国パーティにも来なかったしね、A」



「•••へー」



「なんだ、硝子の入れ知恵か」




来ないはずないと思ってたから



Aは来れないって聞いた時は



まじか って流石に驚いた




なんならこの食事会をきっかけに



なんて



悠長なこと考えてたからね、僕





「ま、がんばれ」



「七海の味方のくせに」



「どっちの肩も持ってない。けどあんたには、夏油がいるだろ。七海の味方くらいしたくなる」



「ふーん」



「それに、どちらかといえばAの味方だけどな。あの子が傷つくのは見たくないからな」



「それは、僕も同じだよ」



「じゃ、お前は引き下がれ。そしたら全て丸くおさまる」




相変わらず



めんどくさそうに硝子は



目の前にある書類に目を通している




「恋愛はタイミングらしいぞ、五条」



「なにそれ」



「どう頑張っても、タイミングには敵わないってことだよ」



「ふーん」



「お前は今ことごとく、そのタイミングの神から見離されてるな」



「そんなのさ、自分で掴み取ればいいじゃん」



「お前ならそうするだろうな」



「まあね。僕、最強だし、欲しいもの全部手に入れたいの」





とか言ってるけど



たまに本家に顔出しても



さっきまでAいたんだよって聞く始末



それに



数年前も出遅れて、結果これだし



あー、本当にタイミングかもな、まじで



って珍しく硝子の助言に耳を傾ける




何度も開く



Aとのトーク履歴



トークは2年半前のまま



僕たちの時間は完全にここで止まってる



なんか、悲しいね



好きな人



うんぬん



僕たち、兄妹なのに



それすらも、なかったことになりそうだよ

.

イケメン→←彼氏



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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 七海建人   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:すうぷ | 作成日時:2023年10月19日 12時

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