彼氏 ページ3
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お仕事が終わって
エレベーターに乗ると
ナナミンからの着信
会社出たら掛け直そうと思ってると
また鳴る電話にびっくりする
私しか乗ってないからいいかな
急用だったら、大変だし
『もしもし?ナナミン?』
んー
エレベーターの中だからか
電波が悪くて、聞こえない
途切れ途切れのナナミン
外にいるのかな?
それに走ってる?
なんかあったのかな?
とにかく、早く1階に着くように
意味もなく
1 の数字を何回か押すと
ポーンと到着する音
かけ直そうとすると
また鳴り出す携帯に
慌てて出ると
「行かないでください」
『え?』
「だから、今日行かないでください」
そんな事を言うナナミンにびっくりしながら
会社のエントランスを出る
「帰国パーティ、行かないでください」
やけにはっきり聞こえる声
目の前には
髪が少し乱れて
ジャケットを持つ
息が上がったナナミンがいて
行かないでくださいって
もう一度言うの
『行かないよ、』
「本当ですか?」
『うん、本当に』
「私のせいですか?」
『ううん、私が決めたの』
ごめんね、ナナミン
そう言う言葉と、同時に抱きしめられる
「本当は、連絡取るのも嫌です。会うのはもっと嫌です」
『•••うん』
「本当は、ペンと一緒に直してあったメッセージカード見ました。ショックでした」
『•••ごめんなさい』
「本当は嫉妬深くて、束縛したいです。閉じ込めたいくらい、あなたが好きです。けどあなたに嫌われたくなくて、いい彼氏を演じてました」
『•••ナナミン』
私から体を少し離すナナミンは
あなたなしじゃ生きられない、みっともない男です って
『•••そんなことない。かっこいい彼氏だよ』
「演じてたので、かっこいい彼氏を」
『じゃ、これからは素のナナミンを見せてくれるの?』
「嫌いになりませんか」
『ふふふ(笑)ならないよ、』
「束縛が激しくて、激重な彼氏になると思います」
『何それ(笑)』
優しく頬を撫でるナナミンは
会社の前でごめんなさいって
『わ!忘れてた!ちょっと恥ずかしいかも、』
「牽制出来るので、このままでいいですか」
『•••もうなにそれ(笑)』
「好きです。本当に。私から絶対離れないで下さい」
『•••もちろんだよ』
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作者名:すうぷ | 作成日時:2023年10月19日 12時