俺の妹２【五条悟】 (ページ11)

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杞憂ページ11

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【ナナミン、ごめんなさい。百貨店で偶然お兄ちゃんに会って、実家で子守りをしてます。夕方にはかえるね。任務、気をつけてね】

何度読み返しても変わらない文章に

ため息が止まらない

一緒に送られてきた写真には

小さな男の子と女の子が

楽しそうに鯉に餌をあげてる写真

この写真を撮ってるあなたは

幸せそうに笑ってると思うし

それを愛おしそうに見つめている、あの人も容易に想像できる

迎えに行きます

そんな文を打ち、またため息を吐く

あの五条家に

なんの躊躇いもなく迎えに行くという選択をしてる時点で

自分自身の中で何かがプツンっと切れてるのがわかる

それが怒りではないのは確かだが

ドロドロとした醜いものに変わりはない

携帯をしまい高専の事務所で

手早く報告書を作成していると

おつかれサマンサ〜と陽気な声が聞こえ

耳を疑う

「緊急招集とか嫌になっちゃうよねー、もう終わったんだけどさ」

ソファにどかっと座り

お菓子片手に

ぺちゃくちゃお喋りし

いつもと変わらない様子

「なーんか無性に、これ食べなくなっちゃってさ。コンビニのフレンチトーストもなかなかいけるね、」

私の杞憂なのか

目の前の五条さんは

いつもと何も変わらない

とりあえず

さっさと報告書を仕上げ

帰る支度をしてると

「七海、ごめん」

そう呟く五条さんは

目隠しも外して

さっきとは違い

真剣な顔で私の前に立つ

「何がですか」

「んー、いろいろ」

「•••何かしたんですか？」

「手、は出してない。これは、まじ」

「手、は、ですか。」

「うん、」

「私のものなので、勝手に何かされたら困ります」

「うん、だから謝ったの」

「謝る態度じゃないですよ」

「別に、お前のものではないじゃん。それをいうなら、元はと言えば、僕のだし。だって赤ちゃんの頃から一緒だもんね」

遠慮しないって言ったしね、お前にって

そう続ける五条さんに

出会ってから初めて、本気の怒りが湧く

「悟ストップ。楽しいところだけど、ほらほら。みんなの顔見て？怖がってるじゃないか」

五条さんの肩を抱く夏油さんに

鉈しまってって焦り気味の灰原に

私から視線を外さない五条さん

「絶対に渡さないので」

杞憂なんかじゃない

完全にアウトだ、これは

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